書いたけどダメなのでボツ……
ひぃん……と氷のような唸り。
間髪入れずに響いた轟音が夜の空を切り裂いた。シーファは奥歯を食いしばり、フロートドレスの制御コンプに必死のコマンドを送信する。手を休めるな。体を停めるな。意識をひたすら研ぎ澄ませ! 雷光のように千里中央の空を往きながら、シーファは自分に言い聞かせる。
一瞬でも気を抜けば、
レッドアラート!
シーファは反射的に体を捻り、慌ててその場を飛び退いた。僅かに遅れて飛来した徹甲弾の雨が、シーファのすぐそばを貫き過ぎる。ガーランド。喉の奥から吹き出しそうになる焦りをやっとのことで飲み込んで、シーファはビルの影へと姿を隠す。
危なかった。ほんの少しでも反応が遅れていれば、シーファは蜂の巣になっていたところだ。
ガーランドは空機最強の男と呼ばれている。その操縦技術は伊達ではない。僅かな気のゆるみが命取りになる。
「さあ、どこだ……どこから来るっ!?」