ぼつりました
ボガー&ウルリカ。
アクションが巧くいかなかったのでボツりました。
いちおう、「続けることに意義がある!」ということで、ボツった分も載せときます。
でも書き直しますので、あしからず……
「あんなひ弱いのに、剣で切ったって……」
と、呟くのはボガー。ふん、とウルリカは鼻息を吹き出した。パワーがないのは百も承知。それでも、敵の足を止める方法はある。
ウルリカは地を蹴り、一息に蜘蛛巨人の前へと躍り出た。足下でちょろちょろしているウルリカに、巨人の冷たい視線が降り注ぐ。問題にもしていない、といった様子。足を止めすらしない。
――見とれっ! 吠え面かかしちゃる!
奥歯を噛みしめ繰り出したウルリカの刃が、巨人の股を薙いだ。傷と言えるほどの傷でもない。皮膚をごくごく浅く裂いただけである。料理している時に包丁で指を切っちゃった、という程度のダメージしかあるまい。
が、初めて巨人の顔が痛みに歪んだ。
――おし、思った通り!
ウルリカはそのまま返す刃で斬りつける。今度は巨人の腹に、さっきと同じくごく浅い傷が刻まれ、じわり、と血がにじみ出る。
見るからに分厚そうな巨人の皮は、とてもウルリカの剣では貫けない。だが、僅かな傷でも痛みくらいは感じるはずだ。足を止めるだけなら、それで十分。
案の定、苦痛と怒りがないまぜになった目で、巨人がウルリカを睨みつけた。
「うおおおおおおっ!」
肌がびりつくほどの絶叫を挙げ、蜘蛛巨人が12本の腕を振り下ろす。あんなものを喰らえば、ウルリカの細身など一発で潰れてしまいそうだ。
――だが、遅いっ!
短く息を吐きながら、ウルリカは軽やかにステップ。石畳に火花を散らし、拳の雨を右へ左へとくぐり抜ける。