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2006年08月01日

 ■ 設定を考える俺。

 長編を書くにあたって、都市の描写に詰まる俺。というわけで設定を考えてみよう! と思い立ちました。

舞台:オリジン世界 AD1823年

 オリジン世界はファンタジー的な話を書くために考えた世界。「ネクロマンサー」とかの世界。
 AD1823年は、「魔導革命」の初期にあたる。魔法を用いる「魔術士」にかわって、魔導機関を開発する「魔導士」が急増した。

●魔導機関とは何か?
 「エネルギーの変換装置」である。
 この世界においては、古来より言霊(呪文)や紋様(魔法陣)といったものが実際に力を発揮してきた。それが魔術である。従来は、「概念の化身」である神との対話によって、その力を借りるのだとされてきた。しかし18世紀末、ジャフ・キングスの論文「星を掴む手」によって、情報それ自体に物質やエネルギーに作用する力があることが明らかになり、情報を媒介する場、「キングス界」の理論が確立された。
 全ての物質(粒子と波動両方)は、キングス界との相互作用によって意味エネルギーを得る。意味エネルギーとはつまり指向性(目的)を持ったエネルギーのことである。
 では物質に与えられる意味エネルギーはどこから来るのか? この世界においてもエネルギー保存則は有効なので、源泉は必ず存在している。
 この世界において、エネルギーの墓場は熱エネルギーではない。熱を含むあらゆるエネルギーは、最終的に「客観的エネルギー」の状態に遷移する。客観的エネルギーはそれ自体、世界に対して仕事をすることができない。ただし、キングス界によって客観的エネルギーは吸い上げられ、何らかの意味エネルギー(熱、電気、光など)として世界に作用出来る形に変化する。
 この客観的エネルギーの溜まり場を、魔術においては「マナプール」などと呼んだ。
 図にすると下の通り。

◆エネルギーの変遷

 マナプール←―――――――
    |             |
    |客観的エネルギー  |
    ↓             |
 キングス界           |作用することで
 (情報を媒介する場)     |再び客観的エネルギーに
    |             |遷移
    |意味エネルギー   |
    ↓             |
   物質―――――――――|

●つまりキングス界とは
 マナプールと物質の間を結ぶ、複雑に絡まり合った経路のようなものと理解することが出来る。
 この経路が、人間にも理解できる形として顕在化したものが「情報」「概念」といったものであり、この世界における「神」である。

●魔導機関のしくみ
 魔導機関は、特定の状態のキングス界を物質中などに固定した装置である。この装置は、マナプールから特定の形の意味エネルギーを取り出すことが出来る。ただし、魔導機関そのものを動かすためには、それ相応の「呼び水」となるエネルギーが必要である。
 それはつまり、「神」と全く同じ性質を持つものだ。しかしこの時代、死の女皇ドゥザニアを始めとする神々は姿を隠しており、また魔導機関の規模もごく小さなものだったため、人間はそのことに気付いていない。神を作ってしまったことに人間が気付くのは、200年ほど後の第二次魔導革命の時代だ。

●魔導革命の影響
 そのような魔導機関が登場することで、世界はどうなるのか?
 それまでは魔術士にしかできなかったことが、簡単な道具を使うことで誰にでもできるようになる。たとえば、何もない所から火を出すだとか、ものすごいスピードで走る乗り物だとか。魔導機関によって可能になる品をかき上げてみる。

●ライター
 石と石を叩き合わせた時に生じる僅かなエネルギーを呼び水にして、熱エネルギーを取り出す。
 魔導機関はまだ貴重なので、誰でも持てるほどには普及していない

●魔導機関車
 石炭を燃やして生じた熱エネルギーが呼び水。ただし魔導機関から直接回転力が生み出されるため、水を沸騰させる必要がない。その違い以外は、現実世界の蒸気機関車とあまり変わらない。

●自動車
 最初は魔導機関車と同じ理屈で動かそうとしていたが、燃料がかさばるという問題があるため、廃れた。その代わりに考えられたのが、電気を呼び水にする方法である。電池そのものはもっと前の時代に発明されていたため、それなりに技術も洗練されており、自動車はそこそこ普及しつつある。ただ、充電のための電気ステーションのようなものはまだ存在せず、所有者が自分で充電器(これも魔導機関)を使っている状態。その不便があって、今はまだ馬車のほうが主流。

●印刷機
 印刷技術そのものは、もっとはるか昔に発明されている。一説によれば、紀元前の魔導帝国期にも印刷機は存在したそうである。
 ただ、魔導機関が非常に効率の良い動力となったため、それまでとは比べものにならないスピードで印刷できるようになった。呼び水は定番の石炭。最近になって電気型も生まれつつあるようだ。
 印刷機の改良によって、新聞などのメディアが急成長を遂げる。

●発電機
 呼び水としての電気には、他のエネルギーにない特色がある。つまり、細い金属の線があれば、一瞬ではるか遠くまで運ぶことができる。そこで、発電所がいくつか建造され、電線が敷設されていっている。
 数はまだ少なく、霧の都ですら小規模な発電所が二カ所だけ。発電量も少ないため、ごく一部(重要な公的機関だとか、上流階級の邸宅だとか)に電線が引かれているのみ。
 ただ、この世界では電灯がすでに発明されている。魔導機関を使って、電気を呼び水に光エネルギーを引き出せばいいだけの話なのである。よって、ガス灯の時代を飛び越えていきなり電灯が街路を照らしている。もちろん、真夜中になれば消されるし、大通りの一部にしか敷設されていないが。

というところで時間が来た。続きはまた考えよう

投稿者 darkcrow : 2006年08月01日 11:51

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