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2006年08月05日

 ■ さらに設定。

●ホムンクルスについて
 ホムンクルスという名前になってはいるものの、ロボットのようなものだと思えばよい。
 自らの意志はなく、判断能力も低い。言語を理解する能力を持つものは、すこし高級品。言語理解ってものすごいテクノロジーじゃねえのか? という疑問があるかもしれないが、そもそも魔法の呪文が魔導機関の礎になっているのだ。特定の言語に対して特定の反応をするような回路を作るのはそれほど難しくはない。しかしカタコト会話が限界だろう。
 素材は金属、石、セラミック(陶器)、肉など。
 形は人間型(ただし顔は凹凸がない卵型、全身には不思議な紋様が描かれていたりする)が一般的。
それ以外の動物の形をしたホムンクルスも創ることは出来る。(商品化はされていない)
 ホムンクルス製法の概要。魔導機関からなる骨格と、それを包む外装からなる。骨格は人間の骨同様にホムンクルスの体を支えるものであるが、それ自体が魔導機関であり、ホムンクルスを制御する演算装置である。中央演算装置は頭部か胸部に内蔵されており、そこから全身の骨に司令を送っているかたち。だから、たとえば手首から先が切り離されたりしても、手首から先だけが自律してある程度動けたりする。あまり意味はないが。
 こんなものが作れるなら、機関車や自動車にホムンクルスの頭部だけを内蔵して自動制御させる、みたいなことも可能なんじゃないのか? 可能だと思います。しかしホムンクルスというのは、生物の魔導的な構造をわけもわからずただコピーしただけの代物なので、元になった生物の形を逸脱した応用というのは研究途上である。魔法学園とかで実験はされているようだが、うまくいったという例はこの時代にはまだない。もう数十年すれば何らかの成果はでるかもしれない。
 ちなみにホムンクルスの動力源は、リクイドと呼ばれる燃料液。中身は低価のアルコール類の混合体(メチルアルコールとエチルアルコールが主成分のような)である。1リットル入りのボトルとかが市販されていて、それを脊髄の辺りの穴に差し込んで使う。無くなったらボトルを差し替える。見た目はエントリープラグのような感じ。

●ホムンクルスの影響
 人には絶対服従で疲れにくくて給料も要らないホムンクルスは、すばらしい労働力である。ちょっと融通が利かないが。
 というわけで、主に単純労働の領域で、ホムンクルスたちは資本家に非常にウケた。18世紀末から急速に増加した機械化工場では、初期の頃は田舎から大量の労働者を掻き集めてきて働かせていた。だがホムンクルスが実用化された19世紀初頭から、人間の労働者からホムンクルスへのシフトが顕著になり、1810年ごろには半無人化工場がいくつも造られるようになった。1823年現在で、工場労働者の3割がホムンクルスである。
 さて、そうすると、田舎から上京してきたはいいものの、ホムンクルスに仕事を奪われた労働者というのが相当数生まれてしまった。再就職もままならず、かといって帰る田舎もなく、都市のスラム人口は急増した。その数は、人口150万人の霧の都において、25万人と言われている。これは総人口のおよそ17%にあたる。さらにホムンクルス技術は発展を続けており、今後労働力のシフトはさらに進むと見られる。つまりスラム人口のさらなる増加が見込まれるわけで、このことは霧の都の重大な経済問題として市長の頭を悩ませている。

●人物
◆パティ・ドクシック
 1809年生、14歳、女。霧の都に流れてきたものの職を無くした工場労働者の娘。両親とは既に死別。スラム「瀬戸際」でテント暮らし。職業は美人局。
 黒髪、黒い目。背は低く痩せている。

◆キスニー・ナルタ
 1805年生、18歳、男。ちまたを賑わす新聞記者に憧れて上京してきた青年。田舎の小さな出版社ではそれなりに経験があったのだが。
 金髪、青い目。背は高いがひょろひょろで頼りない。

投稿者 darkcrow : 2006年08月05日 10:49

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