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2009年11月27日
タイトル:アンデッドナイツ
メーカー:テクモ
ジャンル:アクション
発売日:2009年10月15日
ハード:PSP
一周クリアまでのプレイ時間:約6.5時間
ゲーム感想第4弾、テクモの無双系アクションゲーム、「アンデッドナイツ」です。ファミ通の記事で読んで、ちょっと気になっていたのでやってみました。
主人公たちは忠実なる騎士の一族でしたが、女狂いした王を諫めたために謀殺されてしまいました。ところが死の直後、悪魔と契約することで、彼らは「不死の騎士」として蘇ったのです。悪魔に与えられた「ゾンビを作る能力」でもって、自分たちを殺した王への復讐を企てる……というストーリー。
基本的なゲームシステムは真・三国無双によく似ているというかほとんどコピー同然ですが、敵兵をゾンビ化して味方につけることができる、という独自要素を持っています。
この「敵を捕まえて味方に付ける」というシステムは、特にシミュレーションRPGなどでよく見られますが、アクションでそれをやってる作品は希有。大昔には「フィールドコンバット」とかがありましたが、アレも実に微妙なゲームでした。
この手のシステムには「味方に付けたユニットの強さをどうするか」という構造的な難題(欠陥、ではありません)があります。弱すぎれば捕まえる意味がなくなるし、かといって強すぎれば主人公がやることがなくなるし……うまいことバランス調整する必要があるのですが、そこらへんをどう裁いているか? というとこに興味がありました。
で、「アンデッドナイツ」が採用したのは、ゾンビを単なる戦力ではなく、主人公の行動選択の幅を広げるアイテム、もしくはステージギミックを動かすためのトリガー、として扱う、という手段だったようです。
敵兵から作成したゾンビには、次のような行動をさせられます。
・特定の場所に向かわせる(敵に襲いかからせる、オブジェクトを壊させる、ステージギミックを起動させる)
→敵にゾンビが群がっている状態で攻撃すると大ダメージ
・掴む(掴んだ時点で前方からの攻撃を防ぐ盾になる)
→投げる(小型敵にぶつけて気絶させる、大型敵にぶつけてまとわりつかせる、遠方のステージギミックを起動させる)
→叩きつける(ゾンビが壊れてしまうが、代わりに高威力範囲攻撃になる)
・特に何もしない(ただそこにいるだけで、囮として敵の攻撃を引きつけてくれる)
ざっとこんな感じ。
なるほど、この方式なら、少々ゾンビが弱くても気にならないでしょう。事実、このゲームのゾンビは「やたら頑丈だけど攻撃力は低い」というバランスになってましたが、「こいつら弱いな」という印象はありませんでした。そもそも火力に期待するもんではないからです。
というわけで、最初はけっこういいアイディアだなと感心して遊んでたんですが……2ステージ、3ステージと進めるうちに感想が変わってきました。
一番酷かったのが、ボスにしろギミックにしろ、障害と攻略法がほとんど1対1対応であった点。
ボス敵ならば、「ゾンビを3体ぶつけるとピヨるので、その間に溜め攻撃をあてる」という攻略法がほとんど全てのボスに通用しますし、それ以外の方法ではろくにダメージを与えられません。
ステージギミックも、演出は色々ありました(「男塾名物 万人橋」とか、きをつけ状態のゾンビをハンマーがわりにしてだるま落としとか……)が、全て演出デモが異なっているだけで、主人公がやることはただ一つ。ゾンビに「あの場所に集まれ」と指示を出すだけです。
せっかくゾンビを使ったアクションを色々考えたのですから、ボスの攻略法にも色々バリエーションを持たせて欲しかったし、ステージ攻略も、「この行動はここでしかできない」という方式はやめてほしかったように思います。ゾンビ橋がどこででも作れてうまく使うとショートカットできるとか、敵ボス倒さなくても大量のゾンビで無理矢理門を破壊すれば先に進めるとか、いくらでも考えつくのですが……もっと自由に色々遊ばせて欲しかったな。
あと。こういうコンセプトのゲームなのに、ラスボスに一切ゾンビギミックが通用しないってどうなん。
総じて、「アイディアは光るけれど、プレイヤーが遊ぶことよりも、制作者がプレイヤーに強制したいことのほうが優先されてしまった」という印象でした。
無双やりあきちゃってたまにはちょっと気色の違う無双がやりたい人、ゾンビ映画のゾンビの側をいっぺんやってみたい人は、とりあえず体験版くらいはやってみてもいいかもしれません。あまりオススメはしません。
投稿者 darkcrow : 2009年11月27日 13:27
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