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2010年03月09日

 ■ 100万トンのバラバラ [PSP]

タイトル:100万トンのバラバラ
メーカー:SCE(販売)、アクワイア(開発)
ジャンル:解体切断アクション
発売日:2010年2月18日
ハード:PSP
一周クリアまでのプレイ時間:約4時間

 ゲーム感想、記念すべき第10弾。前にごっそり買って積んでいたゲームが、先のサガ2で一通り遊び終わりましたので、またごっそり買ってきました! ラインナップは「シレン4」「FF13」「DQ9」「ルナ・ハーモニーオブシルバースター」、あとAmazon限定版予約してる「RPGツクールDS」……そして、この「100万トンのバラバラ」です。
 どんだけRPG好きなんだろうね俺は。

●ゲーム概要
 さて、PSPでたまには軽ーく遊んでみようか、ということで手を出したこのゲーム。
 主人公が住んでいるのは、昔高度な文明があったけど滅びちゃった、というありがちな世界。そしてまたありがちかつ困ったことに、古代文明の遺産である「空中戦艦」たちが、今でも無人のまま世界中を飛び回り、無目的に絨毯爆撃を続けているのです。
 主人公は街を守る兵士として、ときどき襲ってくる「戦艦」を食い止めるのを仕事にしています。その方法は……ノコギリ! ヘリコプターで「戦艦」にとりつき、その巨体をノコギリと爆弾を駆使してバラバラに解体しろ! 制限時間は3分。それを過ぎると「戦艦」が街に到着してしまうぞ!
 という、大変分かりやすいゲーム目的。とにかく、細かいことはいいから戦艦をぶっ壊せば勝ちです。

 まあ、その「細かいこと」の中に、「救出した人質の生死」とかも含まれるあたりがアレですが……

 一言で言うと、このゲームは「クイックス」です。徘徊する敵を避けながらフィールドに線を引いていき、線でフィールドを切り取るとそこが陣地になる。最終的には全フィールドのうち指定の割合を自陣にすることが目的になります。昔、ゲーセンの脱衣ゲームとかでよくあったあれですね
 フィールドが「戦艦」、自陣が「解体済みの部分」というわけで、遊んだ感覚はだいたいあのクイックスと同じです。もちろん、「引いている途中の線に敵が触れてもミスにならない」「自陣やフィールドの隅以外も自由に動ける」「ボム」「ゲージを溜めると一定時間無敵」など、アレンジ要素はそれなりにあるわけですが。

 何が言いたいのかというと……クイックスって、そもそも、そんなに面白いゲームじゃないと思うんですよ。

 基本的には、最初はちまちま小さく陣地を切り取っていって、中盤でごっそりと大きく削るのを狙う。当然敵の妨害があるわけですから、切断するときは一気に切ってしまえるよう、簡単に切れる細い部分を残すように、大仕掛けの準備をしていくわけです。
 このイライラと、大仕掛けが成功したときの開放感、というのがクイックスの肝だと思うのですが。
 クイックスの問題点は、ゲームが終盤に進めば進むほど、自動的にプレイヤーが不利になる点。なにしろ切り取った後の陣地には入れませんから(この作品でも、切り取った部分は墜落して、なくなってしまいます)、陣地を切り取れば切り取るほど、PCが動ける範囲が狭まり、結果として自分の首を絞めることになるのです。
 結局、最後はまた「ちまちま」に戻ってしまい、ステージをクリアするのは大仕掛けの快感を忘れた頃です。要するに、全体的にちまちましたゲームなのです。

 好みは別れるところでしょうが、俺は正直、面白いと感じることよりイライラさせられることのほうが多いゲームだと思うのです。

 で、それをPSPで出すにあたって、「100バラ」は一体何をしたのか。

 「巨大な戦艦をノコギリ一本で解体する」というシチュエーションは豪快で面白いですが、はたしてそれが、ちまちまちびちびフィールドを削り取っていくクイックスのシステムと合っていたかどうか。
 そして、さんざん遊びつくされたクイックスのシステムに、どれだけの新しい要素を追加できたのか。
 そこらを考えながら遊んでみても、俺にはとても、この「イライラ」に見合うだけの価値がある「開放感」や「ごほうび」があったとは思えないのです。

 それどころか、「追加要素」の中身を見てみると、余計にイライラさせられるようなものが多い……「特定のアイテムを回収してから戦艦を壊さないといけない(改修前のアイテムを囲んでしまうとゲームオーバー)」だの、「最後にこの部分を残すように戦艦を壊さないといけない(切り取ったときに「小さい方」が墜落するので、下手をすると大仕掛けのつもりが、残すべき部分を落としてしまって……)」だの。

●ストーリー
 主人公はある日、戦艦の解体中に隣国のお姫様を救出しました。(お姫様と側近たちの態度が悪いのでギスギス)
 お姫様は対戦艦の研究をしていて、主人公たちの住んでいる街が、実は地下に埋まった超巨大戦艦の一部であると突き止めました。(街の地下を調査するかどうかで対立がおきてギスギス)
 街のみんな総出で超巨大戦艦の修理を行い、みごと起動に成功!(修理を行うかどうかで対立が起きてギスギス)
 大砲ズドーン。みろ敵戦艦がゴミのようだ
 でも超巨大戦艦は暴走します。なにしろ超巨大戦艦ですから。(責任感じて姫さま大荒れでギスギス)
 オマケに敵戦艦たちが超巨大戦艦の存在を感知して世界中から集まってきた! このままじゃやられる仕方がない俺たちの街を俺たちの手でバラバラにするんだあ!

 ………………あほかあああああああああっ!!
 なんなんだ、このハリウッド映画の腐ったよーなストーリーはっ!
 だいたい、なんでこの可愛い絵柄で無駄にギスギスさせるんじゃあ!!

 あ、ちゃんと主人公とお姫様のロマンスもありますよ。いかにもとってつけたよーな感じで。
 なんかこう……ベタなのは好きなんですが。これはベタというより、あんまりよく考えてないという感じで……

●総評
 往年の名作を現代風にアレンジしよう、というコンセプトはよく分かります。が、練り込み不足だったのではないかな、というのが率直な感想です。ステージはクリアまでで30個、チャレンジステージや高難易度を合わせるとこの数倍に膨れあがりますし、原作「クイックス」からの追加要素も色々ありますが、それらがみんな「とにかく難しくしよう」という方向にしか向いてないのが辛いところです。もう少し、色々なギミックを考えて投入してくれたら、見違えるように楽しくなるかもしれない、とは思います。
 よっぽどこの手のゲームが好きな人なら……という感じですが、あまりオススメはしません。

投稿者 darkcrow : 2010年03月09日 00:16

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