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2010年06月07日

 ■ 不思議のダンジョン 風来のシレン4 神の眼と悪魔のヘソ[DS]

タイトル:不思議のダンジョン 風来のシレン4 神の眼と悪魔のヘソ
メーカー:チュンソフト(開発)、スパイク(販売)
ジャンル:ダンジョンRPG
発売日:2010年2月25日
ハード:DS
一周クリアまでのプレイ時間:約13時間
現在までのプレイ時間:約71時間

 ゲーム感想第12弾! けっこう遊んだつもりでいましたが、この記事を書くにあたってプレイ時間を調べてみたら、まだ70時間程度。なーんだ、全然大したことないね! シレン2のときは280時間越えたもんね! でもきっと今回もそのうち、そのくらい行っちゃうんだろうね!!
 というわけで、「完全クリアしてから……」とか言ってるとキリがないので、このへんで一回感想を書いておきます。「風来のシレン4」です。

●ゲーム概要
 チュンソフトの「不思議のダンジョンシリーズ」は、俗に「ローグライク」と呼ばれる形式のRPGです。
 基本的には、ダンジョンに潜り、最深部を目指すゲームです。このジャンルの特徴は、入るたびに毎回ダンジョンの構造が変化する点。部屋や通路の形のみならず、モンスター配置、落ちているアイテムなどもほとんどがランダムで決まるため、再挑戦するたびに異なる攻略が要求されるのです。
 俺も大好きなシリーズでして、小学生のころ「不思議のダンジョン」最初の作品である「トルネコの大冒険」を遊んで以来、ずーっとこのシリーズは追っかけています。で、その最新作が「風来のシレン4」というわけです。


●ストーリー
 時代は「月影村」の後、「砂漠の魔城」の前。遠方の砂漠地帯を目指して船旅をしていた風来人シレンは、運悪く嵐に巻き込まれ、遭難してしまいます。海に落ちたシレンが流れ着いたのは、南海の孤島カヒタン島。現地住民の少女カミナさんに命を救われたシレンでしたが、そのために、よそ者を村に入れた罪でカミナさんが村人に罰せられそうになってしまいます。カミナを庇おうとするシレンに対して、村の重鎮である祈祷師はこうもちかけます。
「この島の奥地に眠る秘宝、『ジャガーの瞳』を取ってこい。そうすればカミナを解放してやろう」
 てなわけて、風来のシレンは新たなる試練に挑むことになったのだった……!

 今回は実にベタな時代劇ノリですね! まあ時代劇だからいいか!
 シレン2のときみたいな、無茶苦茶強引で笑える展開とかはないです。終始シリアスムードでお話は展開します。正直ストーリーに関しては「どうでもいいや」って感じではありますが、キャラデザがすごく可愛いのと、そもそもストーリーテリングの要素が非常に薄いことで、救われているように思います。
 カミナさん可愛いです。

「なんで南国なんだよ!」というツッコミは認めません! それ言ったら初代シレンにしてからが「なんで南米なんだよ!」になっちゃうじゃないですか! シレンは元々無国籍ですよ!


●新要素
 今回は新要素もりだくさん! いずれもかなりナイスです。

1:新食糧、バナナ
 南国という舞台がもたらした2番目に大きな利点がコレ(1番は女の子の衣装)! 「風来のシレン」シリーズでは、一貫して食糧アイテムが「おにぎり」でしたが、今回は「バナナ」がメイン食糧になります。
 バナナには「青いバナナ」「黄色いバナナ」「完熟バナナ」の3種類があり、持ったまま時間が経過する(=ダンジョンの奥に進む)ことで、次第に青→黄→完熟と変化していきます。食べたときの満腹度回復量は青<黄<完熟の順に増えていきますので、「腹が減って餓死しそう……でも、今すぐこの青バナナを食べるより、草か何かで食べ繋いで完熟になるのを待つべきか!?」というキツい選択を迫られたりすることになります。
 が、完熟バナナを更に熟させてしまうと、今度は「腐ったバナナ」に変化し、食べるとダメージを受けるようになってしまいます。熟させるにしても、最適なタイミングで食べなければなりません。
 さらに、バナナは保存用の壺に格納したままでは、熟していきません。食料を確保するためにも、バナナを壺から出して持ち運ぶ必要があるのですが、すると今度は「バナナを腐らせる罠」が怖くなる。(壺に入れれば、バナナを腐らせる罠からバナナを守ることができる)
 総じてバナナによる満腹度回復量がおにぎりより低いことも相まって、今回はかなり食糧管理に気を遣う必要があります。今まで特徴の一つでありながら軽視されがちだった「満腹度」「餓死」という要素を洗練したのはすばらしいと思います。

 しかも! バナナの真価は、食べた後にあります。
 バナナを食べると、後に皮がのこるのです。
 ……そう! 床に置いたバナナの皮をモンスターに踏ませると、モンスターが滑って転ぶのです!!
 これがまた非常に強力で、転んだ敵は行動不能なうえに防御力が低下し、強敵でもバナナの皮を踏ませれば確実に処理することができます。食料が転じて攻撃アイテムとなる。1つのアイテムに幾つもの使い方がある。これこそが「不思議のダンジョン」の魅力です。

 この新しい食料システムは、まず間違いなく、「食料が有り余る」というこれまでのバランスを正すための調整だと思われます。が、それを単にバランスをキツくするだけでなく、「うまく管理すれば従来よりも得する」「食料に新たな使い方を追加してお得感アップ」という新要素の追加と合わせて実現している。結果、プレイヤーは単にキツくなっただけ、という印象を持ちません。
 こういう発想ができるようになりたいなあ、と感心しきりの闇鴉でした。

2:装備成長システム
 バナナと列ぶ、今回の大きな改善点の2つめ。
 今回、武器と盾に、攻撃力・防御力とは別に「ランク」が設定されています。
 ランクは1~8まであり、普通に手に入る武器と盾は全てランク1です。ランクは、装備したまま敵を倒すことで徐々に上がっていき(装備品に経験値が溜まっていく仕様です)、ランクが上がる度に「攻撃力・防御力」「印数」「特殊能力の効果」が高まっていきます。

 ここで少し従来シリーズの仕様について説明を。「風来のシレン」シリーズでは、武器や盾を合成することで、特殊能力や攻撃力を合わせていくことができます。たとえば、何も能力がない「カタナ」に、「ドラゴン系モンスターに大ダメージ」の「トカゲ切りの剣」を合成すると、「ドラゴン系モンスターに大ダメージを与えるカタナ」ができあがります。
 初代「風来のシレン」では、この特殊能力は、合成すればしただけ追加されていきました。最終的には全ての特殊能力を付けた最強の武器を作ることができました。
 が、第2作「風来のシレン2」以降、「印システム」というのが導入されました。武器ごとに、合成可能な特殊能力の数が決められていて、基本的にそこまでしか能力は付けられなかったのです。
 この「印システム」によって、確かに武器選択で悩まされることになり、自分なりの最適武器を構成する楽しみが生まれはしました。が、俺はあまり好きではありませんでした。最終的に、文句のない最強完璧な武器を作りたかったのです。

 今回、最初に手にいれた武器は印が3個~5個程度しかありません。が、ランクを上げることによってこれが徐々に増えていき、最終ランクの8にまで上がると、いくつでも無限に特殊能力を付けられるようになります。
 これによって、「アイテムを持ち込めない最難関ダンジョンでは、限られた印数の中で取捨選択に悩む」「アイテムを持ち込めるダンジョンでは、無限の印数で作った最強武器で大暴れ」という、相反する二つの楽しみを同時に実現できるようになったのです。

 しかも、先述の通りランクによって、その武器が持っている特殊能力の効果も高まっていきます。例えば、先程の「ドラゴン系に大ダメージ」の剣であれば、ランク1よりランク8のほうがダメージ倍率が遥かに高くなります。
 これによって、従来のように「攻撃力が高い武器に能力を沢山つけたのが最強」という一択状態ではなくなりました。攻撃力が低くても特殊能力を持った武器を育てるという選択肢が生まれたわけです。「つるはしをメイン武器にする」かどうか本気で悩む時がこようとは、どこのシレンファンが想像したでしょうか。

●キリがなくなるのでこのへんで総評
 細かな改善点は、挙げていればそれこそキリがない。従来の作品からいいところを集め、一本の作品として整合性を持たせたうえ、多数の新要素によって徹底的な改善を加えた、まさに「風来のシレン」シリーズの集大成です。ローグライクやシレンシリーズのファン、今まで遊んだことがなかったけどローグライクに興味がある人、普通のRPGに飽きた人、などにオススメです。

投稿者 darkcrow : 2010年06月07日 01:31

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