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2014年03月12日
「スペース☆ダンディ」
第10話 “明日はきっとトゥモローじゃんよ”
※当感想はネタバレ辞さずのスタンスで書いております。ご注意ください。
■プロット分析
(導入)
●1 日常の世界
宇宙では、2つの帝国が覇権をかけて争っていた。
しかし、片方の帝国が作った最終兵器が爆発し、そのエネルギーが宇宙に散らばった。
一方、主人公は宇宙船の中でだらだらしていた。「明日から本気出す」
●2 冒険への誘い
しかし、宇宙船が故障してしまう。工場で修理しないとダメそうだ。
一番近くにある星は、相棒の猫の故郷であった。
●3 冒険への拒絶
猫は故郷に帰ることを嫌がる。だが主人公が強引に故郷の星へ向かう。
猫は自分の家の前に来るが、チャイムを鳴らすのをためらう。
●4 賢者との出会い
●5 第一関門突破
主人公がチャイムを連打してしまう。
猫の母親が、猫が戻ってきたと気づく。
母親、兄弟たち、父親などの紹介。
宇宙船が直るまで、猫の家に泊まることになる。
その夜、冒頭で放出された謎のエネルギーが、猫の家の日めくりカレンダーに直撃する。
(展開)
●6 仲間、敵対者/テスト
宇宙船の部品は「明日になるまで届かない」。
街で父親が旋盤工をしている様子を見る。
街のスナックでは、猫の学生時代のアイドルだった女の子が働いていた。
スナックに仕事を終えた父親が来る。
父親が、スナックのママに息子の自慢をしていたことを知る。照れて反発する猫。
●7 最も危険な場所への旅
翌朝。前日を全く同じ流れをダイジェストで繰り返す。
ここでナレーションが入る。
あの謎のエネルギーの影響によって、同じ1日を繰り返すループが発生してしまったのである。
●7’ 複雑化
だが主人公たちは誰もそのことに気づかなかった。
繰り返すこと88回目、ロボットがついに気づいた……かに思われたが、やっぱり気づかなかった。
108回目、主人公たちが「なぜか先のことが分かる」ことに気づく。
やっとループの存在に主人公たちは気づいた。
●8 最大の試練
別の宇宙船で星を脱出しようとするが、それもできなかった。
「なんでこの星で同じ毎日を繰り返さなければならないのか。この星にいたくないから出て行ったのに」
と落ち込む猫。
子供のころの「将来ぼくは旋盤工になります」という猫の作文を、父親は大事に取っていた。
また、父親の真似して作った工作が賞をとったこともあった。「覚えてないよそんなこと」
猫は、父親の仕事を手伝いたいと言い出す。
「昔はこうやって父さんが働くとこ、よく見てたな」
●9 報酬
猫が作ったネジは、ゆがんだみっともないものだった。
二人で笑いあう猫と父親。
「この星を出て行くことばかり考えていたが、
毎日が同じことの繰り返しみたいな日々も悪くないかもしれない」
と考える猫。
未来が分かることを利用して、女の子がグラスを落として割るのを防ぐことができた。
(決着)
●10 帰路
ループから抜け出す方法をyahoo知恵袋で聞いてみる主人公たち。
「オメーがカレンダーめくってねーだけじゃねーのwww」
といわれて、カレンダーに気づく。
カレンダーは謎のエネルギーによって硬質化し、銃撃しても爆破してもめくれなかった。
●11 再生
父親「それをめくれば明日がくるんだな」
2枚以上めくるとあさってになってしまうので、0.1mmだけ正確にめくらなければならない。
父親の旋盤技術で、見事1枚だけカレンダーをめくることに成功する。
別れ際、「僕はこの星に……」とととどまろうとする猫だが、
父親は「お前は好きに生きろ」と送り出す。
●12 帰還(結末の解決)
元の暮らしに戻ったが、それはループしていてもしていなくても大して変わらない日常なのだった。
■感想
エンドレスエイトパロ。エンドレスエイトだよな、これ……「8日」だし、「88回目」とか「108回目」とか……
作中でもロボが言っていたが、「よくあるループもの」。
そのループを、「かわりばえのしない日常」と結びつけ、それと折り合いをつけるストーリーに仕立てた。
ベタな話だが、丁寧に伏線を積み重ねていたし、故郷で登場するキャラクターが魅力的なこともあってしっかり没入できる話になっていた。
変わらない日常を嫌って故郷を飛び出したはずなのに、
たどり着いた先で自分が送っているのは、やっぱり変わらない日常だった。
見ようによっては絶望的ですらあるその結論も、この一話を通じて描き続けた「日常の素敵さ」によって、余韻の残る良いエンディングになっている。
そして一見変わらないように見えても、やっぱり日常はちょっとずつ変化しているのである。
猫が「日常も悪くない」と気づくことができたように。
ストーリーに肉付けするパロネタも豊富かつ執拗。
ざっと思い出しただけでも、イデオン、巨神兵、ニュータイプに覚醒、ララァとの交信、テムレイ回路……ガンダム多いなオイ。
ネタでつかんでストーリーで引き込む、というバランスがとても良い。
総じて、今まで見た話数の中で一番面白かった。
投稿者 darkcrow : 2014年03月12日 14:51
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