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2014年03月05日
「スペース☆ダンディ」
第9話 “植物だっていきてるじゃんよ”
※当感想はネタバレ辞さずのスタンスで書いております。ご注意ください。
■プロット分析
(導入)
●1 日常の世界
また新たな星、惑星プランタにやってきた主人公たち。
●2 冒険への誘い
この星には「コードD」という宇宙人がいるらしい。
しかし、星の北極から放たれる強力な磁場のせいで、宇宙船が惑星に近づけない。
瞬間転送装置で惑星に移動する主人公たち。
●3 冒険への拒絶
転送先で、主人公は謎の宇宙人に捕まってしまった。
人身売買にかけられる主人公。宇宙人の1体に買い取られる。
●4 賢者との出会い
宇宙人は珍しい植物と勘違いして主人公を買ったのだった。
ひどい臭いの液体を注ぐ実験に使われる。隣の植物は巨大化したが、主人公には効果がなかった。
●5 第一関門突破
主人公を買ったのはドクターH。
ドクターHに解放され、部屋に案内されて休む主人公。
(展開)
●6 仲間、敵対者/テスト
仲間のロボットから通信。植物の宇宙人は、登録しても賞金がないらしい。
ドクターHの娘、033Hが主人公に興味を持って話しかけてくる。
この惑星プランタには、進化した植物による国家が作られていた。
033Hは、コードDのことを知っているという。
●7 最も危険な場所への旅
コードDは北極のエネルギーセンターにいる。そのエネルギーは、植物を大きく成長させるという。
ドクターHはコードDを調べたいと思っているが、植物は近づけない。
しかし、コードDの成分(臭い液体)に反応しなかった人間なら、近づけるかもしれない。
ドクターHや033Hとともに、北極に向かう主人公。
●7’ 複雑化
旅の途中、植物のひとりが何か赤いものを発射した。
その植物は政府のスパイである。政府の追っ手に捕まる。
ドクターHは「コードDは危険だ」と主張するが、役人は「我々はもうあれがないと生きていけない」と反論する。
●8 最大の試練
仲間に助け出され、北極への旅を再開する。
北極にたどり着いた。主人公はコードDのもとへ突入する。
●9 報酬
発見したコードDは、色とりどりに輝くただの石だった。
接続されたエネルギーのケーブルを引きちぎり、コードDを取り外す。
(決着)
●10 帰路
すると、惑星じゅうを埋め尽くしていた色とりどりの膜が崩壊し始めた。
●11 再生
もともとこの惑星の生物は、みんなただの植物だった。
しかし、ある日落ちてきた隕石(コードD)の力で進化し、知性を得たのだった。
コードDを失い、ドクターHや033Hたちをはじめ、惑星全体がもとの植物に戻る。
●12 帰還(結末の解決)
宇宙船に戻った主人公。
「植物にはもうこりごりだぜ」とぼやいた主人公の頭に、観葉植物の実が落ちてきて、完。
■感想
作品全体にサイケデリックな色彩と奇妙な音楽をちりばめた、まるでビデオドラッグか何かのようなお話。
「カウボーイビバップ」にも「サムライチャンプルー」にも主人公たちが怪しい薬でトリップする話があったが、それに近い位置づけなのかもしれない。
全身で養分を浴びる植物たちに囲まれ、陶酔した表情で大の字になる主人公の姿に、全てが象徴されているような気がする。
いかにも「知性を持った植物」らしい、穏やかな語り口のドクターH。チョコチョコとかわいらしく動き回る033H。ストーリーはわりとシリアスムードなはずなのだが、音楽、映像、キャラクターの言動から一貫して受ける印象は「安らぎ」。
おかげで冒険ロードムービーとしての緊張感はあまりないのだが、これは狙い通りの演出なのだろう。のんびりと寝転がって、夢でも見ている感じでぼんやり眺めるのが楽しい。
全力で「これは面白い!!」といえる作品ではないが、「たまにはこんなのもいいかな」という、不思議と捨てがたい魅力がある話だった。
投稿者 darkcrow : 2014年03月05日 22:40
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