ディラックの海
●キャラクター(全員仮名)
先輩:オートマトン。男性30歳前後型。ディラック。
ヘタレ:オートマトン。男性18歳前後型。へたれ。だがプライドは高い。
ファミ子:人間。女性16歳。ファミレスのウェイトレス。
上司:人間。女性25歳。Aの上役、クールビューティ。
代議士:オートマトン。男性40歳前後型。アインシュタイン。AM初の国会議員。
●設定
◆タクシー(自動車)
電気自動車。街の各所にマイクロウェーブ発信器が取り付けられていて、そこから電力が供給されている。マイクロウェーブが途絶えると、緊急用バッテリーの分しか走れなくなる。
ラジオ放送はこの時代にもある。タクシーでは、運転手がテレビの画像に目を取られると危険なので、音だけの放送を聞いている。
●プロット
1)
ファーストシーン。原発事故が起こる。母親らしき女性、半狂乱で原発に飛び込もうとしているが、警官に止められている。事故現場から傷だらけアインシュタインが登場、その腕の中に少女。母親、少女を抱きしめる。アインシュタイン、力尽きて倒れる。
2)
30年後。タクシー(電気自動車)のラジオで、「ディラック事件」30周年記念番組をやっている。衆議院議員としてインタビューを受けているアインシュタイン。「暴走する世界初のオートマトン、ディラックの手から少女を救った英雄」と紹介される。アインシュタイン、現在のオートマトン政策を語る。タクシーの運転手、ラジオを聞いて、一人で若狭の原発を制御してしまうオートマトンは凄い、と客を褒める。
客のヘタレ、むすっとして、「凄いのはアインシュタイン議員でしょ。僕は凄くなんかないですよ」ヘタレは本来希望した進路(アインシュタインのように議員になる道)を選ばせて貰えず、製造会社から電力会社に売られた。「発電所の制御だなんて……誰にでもできる仕事なんですよ」その言葉には、自分の力へのプライド、「誰にでもできる」仕事をさせられることへの不満がある。
3)
貰っていたIDで原発に入るヘタレ。その途中、厳重なゲートの警備(戦闘B級オートマトンなどが配置されている)を描写。人やオートマトンの気配を探すが、静かで誰もいない。建物の中に入る。そこでファミ子とばったり出くわす。ヘタレ「か、かわいい……」と見とれるが、突如ファミ子、胸を押さえて、「うう! く、くーるーしーいー! ばたっ」と倒れる。ヘタレ慌てて近づくが、ファミ子余計に苦しむ。ヘタレ気付く。「まさか……被曝!? 僕のボディが汚染されていた!? まさか!?」「わたしのお腹には三ヶ月になる赤ちゃんがー」「妊婦! まずいぞ、胎児は100mSv程度の線量ですら影響を受ける……とにかく、救急車っ!」
慌てて電話しようとするヘタレに、後ろから先輩が膝かっくんする。倒れるヘタレ。「こりゃ。落ち着け少年、そいつは仮病だ」ファミ子、元気よく立ち上がる。「よー! ●●ちゃん、こんちわっ!」「おー。今日も出前お疲れさん」「仕事っスから! それはそーと、そこの人。この建物に入るときは、線量計(カウンター)付けなきゃダメですよ? まんいち被曝してたら周りの人も大変なんだから」ファミ子、スカートの腰のところに付けた線量計をヘタレに見せる。鼻を押さえながら立ち上がるヘタレ。内心で(か、かわいくねー!)
シーン3、書き直しすること。
問題点1:先輩のキャラを描くつもりがいつのまにかファミ子のシーンになってる。(仕事っスから! はどこかに入れよう)
問題点2:ヘタレの思考がヘン。自分が汚染されていたと思うのは不自然、この状況なら施設の放射線漏れなどのほうが先に思いつくはず。