冒険――「危険を承知でチャレンジする」とか、そういう意味の言葉だ。
 しかしてその実際は、正反対であったりする。
 危険の中に突っ込むとき、成功の確証を持てない難題に立ち向かうとき、人は決してやみくもに体当たりしたりはしない。地道な調査と、下準備。本番の冒険が始まる前には、その何倍もの努力と手間暇が積み重なっている。そのくせ、想像してみたほど冒険はきらびやかな物ではない。もっと地味で、もっと退屈で、もっともっと、ちっぽけな物だ。
 でも――と、時々思う。
 だからこそ、「冒険」っていうんじゃないのか、と。

 そう。これは、地味で退屈でちっぽけで――ちょっぴり素敵な、冒険の物語だ。
 

ソードワールド・オンライン・リプレイ 

第1話 やつらが街にやってくる

 某月某日。IRCのとあるチャンネルに、7人が集まった。

A うーむ? 入れたんやろか?
B 見える、見えるぞ
GM 「サーバー>ニックネームの変更」で、名前をキャラ名にするといいですよー

 GM木許の思いつきで、これからTRPGのオンライン・セッションをやろうというのである!
 TRPGというのは、アメリカ発祥のテーブルゲーム。プレイヤーそれぞれが、架空のキャラクター(PC)になりきって、冒険を繰り広げるというものです。普通のテーブルゲームと違うのは、勝ち負けがないということ。プレイヤー全員が協力して、ゲームマスター(GM)が考えた事件を解決する。その連続によって、一つのストーリーを作っていく……
 これから遊ぶのは、そんなTRPGの一つ。日本で最も成功したTRPGと言われる、「ソードワールドRPG」です。

GM さて、みんなそろったところで、軽く最初の説明をしときます。
ソードワールドは、中世ヨーロッパ風のファンタジー世界で、冒険をするゲームです。この世界には魔法もあって、古代の超文明の遺跡も、モンスターも、山賊野盗のたぐいもいっぱいいるので、荒事を請け負う人が必要です。みんなは、そういう人、「冒険者」のパーティです。
というわけで、まずはキャラとして自己紹介してくださいな。名前と、簡単にどういう人か、とか
A ごじゅうおんじゅん?
GM チャットメンバー欄の上の人から順に……Aさんおねがいします
A(ギ・ナ) あいよ。「ギ・ナだ。お喋りは趣味じゃねえが、これだけはいう。どらごんだってブン殴ってみせるぜ。ただ、きょうつうごのよみかきだけはカンベンな」
B カタコトキャラ!!
C カタコトキャラ!!
GM ドラゴン殴ったらさすがに死にそうだけど!
B 殴ったあとのことは知らないんだよ
GM 豪快なドワーフですな
ギ・ナ (どらごん……どらんご……? どちだっけか)
GM というわけで、共通語が読めないギナさんでした。次、Dさんどうぞ
D(ホットウロ) はいはいー おいらはホットウロ・ビルン! 皆が聞きほれるようなカッコいい英雄の歌を作る為に冒険者のパーティーに参加させてもらっているんだー
B 「」を!
ホットウロ ああ、ごめんごめん

 先述の通り、TRPGではプレイヤー1人がキャラクター1人になりきります。
 しかし、常にキャラクターになりきって発言していたら疲れてしまうもの。何より、登場人物本人ではなく、それを操るプレイヤーの目線でしか話せないときも多々あります。そこで便宜上、「プレイヤー発言」と「キャラクター発言」を使い分けるということが、TRPGをプレイする上で必要となるのですが……
 今回のオンラインセッションは、IRC(一種のチャットソフト)を使って行っていますので、キャラクターとして発言するときには、台詞に「」を付ける、というルールを定めたわけです。

ホットウロ 「とりあえず、僕は後ろで詩作りで忙しいのです! みんながんばてね!」
GM 戦闘に参加する気がない宣言のホットウロさんでした。
ギ・ナ (殴る回数が増えるなら大歓迎だぜ)
GM さすがドワーフ。じゃ、次はBさん
B(モルフォ) 「いや戦えよ! ……あ、はーい、モルフォ・リバシフルです☆ 神官見習いとして笑顔をふりまく日々に軽くウンザリしてー、冒険者活動はじめちゃいましたあ!」
GM ☆……
モルフォ 「みんなに笑顔や血しぶきをふりまいていこうと思いますね! えへ☆」
C ざわ… ざわ…
GM ざわっ……!
ホットウロ 「なんという邪神官!? こ、こんなの英雄じゃないよ! むしろ英雄に倒される悪役だよ!」
ギ・ナ (やろう……おいしいところを狙ってやがる)
モルフォ 「だーいじょうぶだよ、仲間にかかるのは返り血だから。主に」
ホットウロ 「主にっ!?」(ガクガクブルブル)
モルフォ 「というわけで、モルフォでした。ぺこり」
GM ありがとうございましたー。次はCさんですが、どうします? まだ固まってないならプレイ中に考えてもらっても(※ Cさんは今回がTRPG初めて)
C 「あー、では自己紹介させてもらう」
GM
C(ミッジヴァルト) 「わたしの名はミジミッザ・ミゼリコルヌ・ミッゼスト・ミョズニトニルン・ミズ・ミズングルヴァルト・ミャジ……」 舌噛んだ
「……長いからミッジヴァルトでいい……」
GM ……どこをどう略したんだろう
モルフォ 「ナガイカラは名前に入りますかあ?」
ギ・ナ (ミジミ……みぜ……み……み……み……み……)
ホットウロ 「ミジミッザ・ミゼリコルヌ・ミッゼスト・ミョズニトニルン・ミズ・ミズングルヴァルト・ミャジ」 (舌噛んだ)
「いたいよーいたいよー 言い切ったけど痛いよー」
ミッジヴァルト (だからミッジヴァルトでいいって言ってるのになあ……)
「と、ともかく前衛は任せてくれたまえ。以上」
ギ・ナ 「一番鎚は俺のモンだぞ? お?」
GM どう返していいか分からなくて疲れた顔のミッジヴァルトさんでした。
Eさん次どうぞ
E(ルビー) 「はじめまして、ルビー・ホネッカと言います。お気軽にルビーとお呼びください。魔法を少しかじっておりますので、能力がご入用の時にはお声をかけてくださいね。よろしくお願いします」
GM ソーサラーのルビーさんでした。Fさん、設定決まりました?(※ Fさんも初心者)
F(バアル) 「バアル・ゼブル。見てのとおりのハーフエルフ。ある情報を集めるため、冒険者に、盗賊になった」無口キャラっぽい人で
モルフォ 「バアルさんって男の子? 女の子?」
バアル 「男だ」
ホットウロ 「おいら知ってるよー こういうのを男の娘って言うんだよー」
GM そんな外見なの!?
バアル そうします

 するのかよ。

 ちなみに、各キャラクターの自己紹介のところにある画像は、キャラクターシートというものです。
 キャラクターシートというのは、そのキャラクターの能力や持ち物などと書いておく用紙のこと。ソードワールドをご存じない方には、「技能」や「能力値」の意味が分からないかと思いますが、だいたいの雰囲気だけでもつかんでもらえるのでないかと。
 それぞれのキャラクターシートをクリックすると、より詳しいデータを別ウィンドウで表示します。興味のある方はどうぞ。
 かわいいキャライラストは、ミッジヴァルトのプレイヤーさんが描いてくれました! ありがとー!

ギナさんのワンポイント共通語講座

GM これで全員おわりましたな。そんではシナリオに入っていきますねー
ホットウロ はいはい
GM みなさんは今、冒険者としてパーティを組んで、大陸最大の街オランというところにいます。地図はこれ(と言いつつ、あらかじめアップロードしておいた市街地図のURLをコピペ)
んで、なんか理由があって、繁華街の大通りを練り歩いておりました。周りには昼間っから賑やかな酒場やら、大声張り上げてる露店やらが並んでいて、石畳のひろい道に人がわんさか……という、昼下がりの光景です
ホットウロ 「オランに誰もおらん ってにいちゃん言っていたけど、いっぱい人いるよねー 変なのー」
GM いっぱい人おりますね。と、その人垣を掻き分ける……というか、押し倒すようにして、必死の形相で君たちのほうに走ってくる男が2人
ギ・ナ (なんでえ)
バアル ダガーに手をかける
GM 子供を蹴っ飛ばすやら、露店をめちゃくちゃにするやらで、えらいさわぎですよ
ギ・ナ (けしからん。俺も混ぜろ)
GM みなさん、どうしますね。戦闘態勢が2人?
モルフォ 「おいコラ天下の往来でなにやっとんじゃあ!!」
GM 3人。
ミッジヴァルト (ひいい、むしろこのモルフォとかいうこのほうが怖いのだが)
モルフォ とりあえず怒鳴ったけど様子を見る方向で
GM 了解。
ルビー 「危ないから逃げましょう」
バアル 吹っ飛ばされた子供の援護、救助
ホットウロ 流石に子供が蹴飛ばされて歌詞執筆はしないな。「僕だいじょーぶー?」
GM 子供はぴーぴー泣いてるけど、ホットウロやバアルが助けるなら、ケガもなく助かるよ
バアル 助ける
GM 親が「ありがとうございます」と迎えに来る
バアル 渡したあと、何も言わずに立ち去り、ギナたちの方向を向く
GM うん。そっちの方に積極的に混ざろうとするのはギナさんだけですかね。ギナが行く手を阻むと、男二人は立ち止まるんだが、その更にうしろから、なんか叫びながら追っかけてくる、もう一人の男ガイル(※ 変換ミス。慌てて打ち直す)がいる。杖を持っていて、フード付きのローブを纏っているような、なんかひ弱い男です
ミッジヴァルト ごめん、もうえのき頭の脳内画像しか出てこない。
GM そんで、えのき頭の男が叫んでいる言葉がだな、共通語じゃない。ルビーだけは分かるが、これはゴブリン語だ
ルビー 「皆さん、あのローブの人がゴブリン語でなにやら怒鳴っているようですけれど」
モルフォ 「なんて言ってるかわかる?」
GM えのき男は追いかけて来ながら、ゴブリン語で「待て! 仮面を返してくれ!」と叫んでいる。で、ギ・ナに道をふさがれた2人組が振り返って、「いやだ! おれらのもんだ!」と、こちらもゴブリン語で。そんなふうに言ってますよ、ルビーさん
ギ・ナ (ごぶりんご? 俺の好きはふじりんごだ)
ミッジヴァルト 「ええい、共通語で話せ共通語で!」
GM 通訳するなら、みんなにも意味が分かるよ
ルビー 「『立ち止まって仮面を返すべきです』『断ります。これは我々のです』と言っているようです」
ミッジヴァルト 「仮面?」
ホットウロ 「というか、なんでゴブリン語!? というか、なんでゴブリンが街中に!? というか、仮面って何?」
GM と、きみたちが混乱しておると、えのき頭が追いついてきた……(これで、2人組は挟みうちにされた形か。じゃあ、なんとか突破しようとするだろうな。とすると……やっぱ狙うなら弱そうな方か)……2人組のほうが、しゅっとダガーを抜いて、えのき頭を刺す!
(ころころ)えのき頭はファイター技能持ってないから避けられんわ。一撃で気絶しました
バアル その様子を見て近づく
モルフォ 戦闘体勢
ギ・ナ 「……ほんやくなんざいらねえ」(こいつが蛮国きょうつうごよっ) 2人組み一方を後ろから殴る
GM 殴るか、ギ・ナ
ギ・ナ きょうつうごだ
GM ではギ・ナさん、きょうつうごで殴れたかどうか、判定してください。2Dと発言して
ギ・ナ 2D
サイコロ (GM_) gina -> 2D = [5,1] = 6
GM それに、自分のキャラクターの攻撃力を足してみて。いくらになりました?
ギ・ナ 34
GM あ、いいや、打撃力じゃなくて、攻撃力のほう
ギ・ナ 11
GM こちらの回避は10なので、そちらの勝ち。つまり命中しました。このように、2Dにキャラの数値を足して、こっちの定めた数値以上になれば成功なわけです
ミッジヴァルト なるほど。

 ソードワールドでの成功判定は、達成値(2D+技能レベル+能力値ボーナス)が目標値(GMが定めた数値)以上であれば成功、それより小さければ失敗、となります。
 今回の場合、ギ・ナの2Dの目が6、ファイター技能が2、器用度ボーナスが2、なので、合計は10です。
 ただし、ギ・ナの武器であるモールは命中しやすい鈍器なので、達成値に+1されて、結果11になるわけです。

 ちなみに「2Dと発言」というのは、サイコロを再現してくれるマクロの起動コマンドです。2Dと言えばサイコロ2個、3Dと言えばサイコロ3個の合計値をランダムで出してくれる便利なプログラム。
 今回、(ころころ)などとサイコロが転がる擬音で表現しているところは、このダイスマクロを使ったのだと思ってください。

GM では、2人組の一人が、頭をどつかれて、ばたりと倒れた。もう1人は、えのき頭の上を飛び越えて逃げていくよ
ルビー 私はえのきに駆け寄ります
モルフォ 生きてるかどうか確認
GM ん、まだ息はあるけど、生命力0です。治療しないといずれ死ぬよ
モルフォ 「そいつ逃がすな!」と言いつつキュアー・ウーンズ
バアル 追う
ミッジヴァルト へどもどする
GM なさけないぞ、ミッジヴァルト!
ギ・ナ (対一の結果だあ。ほうっておけえ)
バアル 命に別条がないよう、刺した男に攻撃
GM あ、それは追いかけっこの判定をしてからにしましょう 

犬、出現

 さて、バアルは単独行動で逃げた男を追いかけます。
 GMの予定としては、ここで2人組の少なくとも一方は逃がしておくことになっていました。そのつもりで、簡単には追いつかれないように2人組の敏捷度を高く設定しておいたのですが……

GM バアルさんはシーフだったよね。2Dの出目に、シーフ技能レベルと、敏捷度ボーナスをたしてください。いくら?
バアル (ころころ)12です
GM こっちは(ころころ)……1ゾロふってもうた
モルフォ スーパークリティカルだね。
バアル 1,1のばあいクリティカル?
モルフォ いや、ファンブルっていうんだけど、なぜか遊戯王ではスーパークリティカルごめん混乱するから忘れてくれ

 懐かしいな遊戯王。

 ちなみに、ファンブルというのはTRPG用語で「大失敗」のこと(英単語のfumbleは、単に「失敗」という意味らしいですが)。ダイスの出目がものすごく悪かったために、通常の失敗に加えて、さらに何か悪い事態が追加で起こることをいいます。
 ソードワールドでも、1ゾロ(2つのサイコロが両方1)が出た場合、どんなに技能レベルや能力値が高かろうと自動的に失敗になる、というルールがあります。

 つまりまあ……あああああ! 考えていた展開が一つ潰れた〜!

GM 裏通りに逃げ込んだんだけど、あっというまに追いつかれちゃった。というわけで、1対1の戦いだよ。バアルさん、どうする?
ルビー タイマンだタイマンだ
ギ・ナ (ばあるのやろう、おいしいところを)
バアル 確保目的で攻撃
GM じゃあ、ギナさんのときと同じように、2D+攻撃力を
バアル はい(ころころ)9です
GM それは、避けたよ
バアル 「チッ」
GM バアルは、「今の、確かに俺の攻め方も甘かったけど、そのへんの一般人に避けられる攻撃じゃないのになあ?」と思った。
で、こちらはですね……どうしようかな。……きめた。そちらでだれか1人、2Dふってみてくださいな
モルフォ (ころころ)6
GM 6か。そうすると、目の前でボワンと煙のようなものがでて、収まった後には犬が
バアル 「何だ!」
ルビー 犬だ!
GM びっくりしてくれてありがとう。そして全力で逃げる! 追いかけるなら、また敏捷度+シーフで勝負だ(ふっふっふ。これで、こっちはさらに足が速くなったぞ)
バアル さっきの男は、もう見失ってる状態?
GM 男はどこにもいない。煙とともに忽然と消えた。そのあとに犬が登場したかんじ
バアル はい。では追いかける。(ころころ)16
GM うげ、目がいいんでやんの……
ルビー さぁどうする
GM (ころころ)16とか言われたら逃げ切れるわけないよなあ、いくら犬の足でも。捕まったよ
バアル 「捕まえたぁっ!」
GM 腕の中で暴れてるけど、どうします? さすがに元気がいいんで、このままほっとくとふりほどかれそうではある
バアル ダガーを首にあてて敵意を示し、動かないようにする
GM それは……大人しくなるね。では、そのまま抱えてかえる?
バアル はい、パーティの所に帰る

男の名は……

 一方そのころ、刺された男を介抱していた残りのメンバーたち。
 モルフォの神聖魔法(プリースト魔法)「キュアー・ウーンズ」で、傷を治療します。

GM ではモルフォさん、サイコロ振って回復量きめて
モルフォ (ころころ)7か……
GM うん、では、えのきの生命力は半分くらい治った。で、はっと気が付く。「え? あれ!? どうしたんだ?」
モルフォ 「ふー。気がついた?」
GM 「はあ……あなたがたは?」
ルビー 私は同時通訳をしているということでいいのかな
GM いや、治った男は、ふつうに共通語で話してくれる
ルビー あい
ミッジヴァルト 「なんだ、共通語もしゃべれるのではないか」
GM 「もちろんです。あいつらとは違って……あ!! あの2匹は!?」
モルフォ 「ひき?」
GM 「私が追いかけていた2匹……ああいや、見た目には2人」
バアル ギナが倒したのを指さして、「一人はそこだ」

と、犬をかかえたバアルが合流。

ミッジヴァルト 「……どうしたんだねその犬っころは?」
バアル 「さっきの男と入れ替わりで現れた」
ミッジヴァルト 「むう、面妖な」
ルビー 「おいしそうですね」
バアル 「食べるか?」
ホットウロ 「ええっ!? 食べるの!?」
ルビー 「そうですよ、まだ早いです」
バアル 「そうだな、もっと太らせてからにしよう」
ホットウロ 「そうだよー! ちゃんと調味料用意しないとー!」
GM きみら、好き勝手いってるね!
ミッジヴァルト (……わたしはこのチームにいてだいじょうぶなのだろうか……)
GM 「……ひょっとして、そこの犬」
バアル 「もう一人は追いかけたが煙になって、この食料に」
GM 「……食べちゃだめですよ。たぶんお腹を壊すので」
バアル 「そうか、残念だ」
ミッジヴァルト (こいつらほんとに食う気満々だったのか……!)
GM 「みなさん、強いんですねえ。あのー、コレも何かの縁で、一つお願いがあるんですが……ここでは人目があるので、そこの冒険者の店に入りませんか?」と言ってくる。冒険者の店というのは、冒険者が集まる宿屋兼酒場兼仲介所だ
バアル パーティの行動に合わせる
モルフォ 「はあ……よくわかんないけど」
GM 「お願いを聞いてもらえるなら、ちゃんと説明させてもらいます」
ルビー 「とりあえずなんか食べましょう」店に向かうことに同意します
GM では、みんなで店に入った、ということでいいかな
モルフォ 話は聞く必要があるから行きますよ
バアル 入りました

 で、ギ・ナが殴り倒した男と、バアルがつかまえた犬を引きずって、冒険者の店に入ったんですが。

ホットウロ 「あ、ゴハンはオゴってくれるんだよね! ごちそーさまー!」
GM 「……いや、あの……」
ホットウロ 「えーーーーーーオゴり無いのー!」
GM (今、無一文なんだよ!)さて、このえのき頭、モークルと名乗ります。まだ魔法が使えるようになったばかりの、かけだしソーサラーだそうなんですが
モルフォ 「じゃあ略してガイルね」
GM/ガイル 「えええ!?」
ギ・ナ 「がいるだな」
ミッジヴァルト 「どこかで……聞いたような……」
ホットウロ 「??? なんでガイルなんだろ? まぁいっかー」
GM/ガイル 「……もうガイルでいいです」で、モークル改めガイルはですね……

 と、ここでガイル(……みんな、本当にガイルとしか呼んでくれないんだもんなあ。いじめだよなあ)が状況を説明します。
 実は、さっきの2人組は魔法で変身したゴブリンだったのです。

 ゴブリンというのは、比較的人間社会の近くに住んでいる妖魔の一種。人間より一回り小さく、醜い姿をしています。森の奥にひっそり住んでいるうちは無害ですが、時々人里に降りてくると、物は盗むわ家畜は食べちゃうわ、あまつさえ人間を殺傷するわで、ろくなことはしません。

GM ふつう、ゴブリンが街中に入ってくることはない。見つかったら問答無用で殺されるからね
ミッジヴァルト 「変身といい、最近のゴブリンはどうなっとるんだ」
GM/ガイル 「ゴブリンじゃなくて、魔法の仮面のせいなんです。『変身の仮面』という古代の強力な魔法のアイテムで、かぶって念じると、1時間の間変身できるというすぐれもの」
バアル 「ほぅ」 興味を持った様子
モルフォ 「ねえそれって、仮面をとっても変身したまんまなの?」
GM とったら元に戻るけど、仮面ごと変身しちゃうので、本人以外には外せない
モルフォ 「ふーん。そういえばさっきはかぶってなかったんだっけ」
GM さいです
モルフォ いや、セリフ
GM ……おう
モルフォ GMが混乱してどうする!
GM おちつかねば!
ホットウロ (笑)
ミッジヴァルト 大変だなあ。
GM だがガイルさんは慌てているというか、顔面蒼白で「私、師匠にたのまれて、この仮面3枚を、オランのとあるお大尽に届けに来たのですが……」
バアル 「3……枚?」
GM/ガイル 「途中で運悪くゴブリンに襲われてしまい、荷物ごと奪われてしまいました。大事な仮面を奪われてしまっては、わたしは……わたしは……師匠に殺されるー!!」
モルフォ 「ほえ? 師匠って?」
GM/ガイル 「私の魔法の師匠です。とても偉い導師なんですが」
モルフォ 「そんなすごいアイテムをつくるぐらいなんだから、有名人?」
GM いえ、今の時代、アイテムを造る技術は完全に失われていて、昔に作られた物を発掘するしかない、という世界設定なんです
モルフォ 「あーそうか、古代のアイテムだっけ」……いろいろ忘れてるな(※ モルフォのプレイヤーは、ずいぶん昔にソードワールドをプレイしたことがある)
GM/ガイル で、魔法使いは鑑定ができるので、その関係もあって、色々魔法のアイテムをもってたりする。「そんななかの一つだったんですが……3枚の仮面のうち、いま取り返したのが2枚。あと1枚がまだ……」
モルフォ 「さっきの二人があの姿だって知ってたのは、どうして?」
GM/ガイル 「ゴブリンが変身して街に入ったと知って、自分で探したんです。それで、ゴブリンたちが根城にしていた廃屋を見つけて突入したんですが、裏口から逃げられてしまって。必死に追いかけてきたんですが、奴らは途中で人間に変身して、街中を逃げる逃げる。その結果が、さっきのアレというわけで」
バアル 「ハタ迷惑な話だ」
ギ・ナ (計画性もねえのか、このひょうたんは)
モルフォ 「たいへんだったんだねえ。いいこいいこ」
GM/ガイル 「ごめんなさい。師匠からもよく言われるんです。おまえ動く前によく考えろよ、と。」
ギ・ナ (こんな奴に持たせる奴も相当だぜ)
モルフォ ギナとなんとなくアイコンタクトして同意
ミッジヴァルト (そもそもガイルは待ち戦法が基本のはずなのになんて落ち着きのな……いや、わたしはなにを考えとるんだろうね?)
ホットウロ 「兄ちゃんもよくかーちゃんに言われてたなー。脊髄反射はやめろって」
ルビー 「事情はわかりました。相当がんばってあやまらないといけませんね」
GM/ガイル 「ひー! そういわず、助けてくださいよぉ」
ミッジヴァルト (うちの親方もそうとう怖かったしなあ……)
GM/ガイル 「お金は払いますから……今はないけど、いつか」
モルフォ 「って言ってもぉー、あなた無一文なんでしょおー?」
ミッジヴァルト 「あきらめて殺されてきたらどうだね」
GM/ガイル 「そんな殺生な! ……ああ、そうだ! この短剣がありますよ」
モルフォ 価値がわかるのはだれ?
GM セージで判定ですね
ルビー また私か
GM セージ+知力で、みなさん判定してください
ミッジヴァルト 僕もやっていいのかな?
GM いいですよ
ミッジヴァルト (ころころ)目は11。これに3足すんですか?
GM そうです
ミッジヴァルト 14か。
モルフォ (ころころ)13
ルビー (ころころ)25……あ、知力じゃなくて知力ボーナスか
GM うん。その目なら、ルビーは10だね
ルビー チョンボだ、失礼
GM じゃあ、ミッジヴァルトとモルフォは分かりました
ルビー 面目まるつぶれ
ミッジヴァルト 「ふむ、なかなか凝った意匠のようだが」
GM 店で買ったら5000ガメルくらいはいきそう。技能レベルが1高い扱いで攻撃できる、魔法の短剣です。今から急いで買い手を探すなら、だいぶ買いたたかれるけど、それでも2500ガメルは下らないだろうと思われる

 ガメルは、ソードワールドの世界「アレクラスト大陸」における標準的な通貨です。銀貨1枚が1ガメルで、1日の食費が10ガメル、1日の宿代(素泊まり)が30ガメル。普通の剣が一本300ガメルといったところ。
 物価のバランスが全然違うので、単純に日本円換算するのは難しいですが……ま、だいたい1ガメル100円、くらいのイメージでしょうか? もう少し安いかもしれませんね。

モルフォ ちなみにゴブリン退治のクエストの相場なんかをひとつ!
GM そうだねえ。1人400前後、ってところですね
ルビー 偏差値51ってところですね
GM/ガイル 「どうでしょうか、これを売ってお金をつくりますから、仮面をとりかえしてもらえないでしょうか?」
モルフォ (カチカチカチジャリーン)じゃ、それ前払いならわたしは協力するよ!」
GM/ガイル 「短剣前払いですか? 分かりました、それでもいいですよ」(……って、こいつなら言ってしまいそうだけど……アホやなあ。持ち逃げされたらどうするんだろう?)
ミッジヴァルト 「わたしも賛成だな、なかなかいいもののようだ」ゴブリン相手ならそれほどむずかしくもなさそうだし……
ギ・ナ (なにをやらせるか知らねえで受けるのもあれだぜ)
GM/ガイル 「他の皆さんは?」
バアル 「協力しよう。子供を突き飛ばすような者を放置できない」
モルフォ 相手は人里のゴブリン1匹なんだし、参加者山分けでも割のいい仕事だと考えている
ルビー 「皆さんそうおっしゃるなら、私も乗りましょう」
ホットウロ 「皆いくんだねー それじゃがんばろー!」←ついてくみたいだけど口調が他人事
GM/ガイル 「ありがとう! それでは、これはみなさんに差し上げます」と、魔法のダガー、「ダガー+1」がもらえますよ。必要筋力4
モルフォ 「おっけー、いい取引ができたわね!」と握手
GM だれがもっとく?
モルフォ とりあえずひったくる感じで
GM じゃ、モルフォに渡しました
ミッジヴァルト 手えだそうとしてさきにかっさらわれた
モルフォ で、ちょっとほかのメンバーの視線をうかがう
ホットウロ ダガーには興味示しません
ルビー 暖かく見守ります
ギ・ナ 刃には興味ねえ
ミッジヴァルト モルフォと目が合って固まる
GM ミッジヴァルト、キャラ固まってきたね。
ミッジヴァルト (ふん、いいさいいさ、わたしにはこの長剣があるさ)
バアル 使ったことによって価値は減る?
GM いや、減らない。魔法のアイテムは頑丈だから
バアル 「金に換えるまでの間、使えるなら使いたい」
GM 確かに、バアルにはちょうどいいくらいかな? 打撃力が4になっちゃうけど、技能レベルが1上がる分で充分おつりはくる
モルフォ 「じゃ、バアルさんに持ってもらっとくけど、この仕事が終わったらしかるべき場で換金ね」
バアル 「了解した」

モルフォ、生き生きとする

 さあ、報酬の交渉も済ませたところで、いよいよ捜査開始です。とりあえずPCたちは、ガイルに次から次へと質問を投げかけ、できるかぎりの情報を引き出そうとします。

 まずは、変身の仮面について。おおざっぱな使い方や注意点の他に、「変身した者はセンス・マジックの魔法に反応する」「変身の効果は1時間」「一度使用すると1日のインターバルを置かないと再使用できない」「何に変身するかは、ある程度ランダム」ということが分かりました。
 また、彼がつきとめていたゴブリンの隠れ家は、常闇通り(オランのスラム)の廃屋でした。しかし、ガイルに見つかってさんざん追い回された今、その隠れ家に戻ろうとするだろうか? というところに疑問符が付きます。
 一方、ゴブリンたちが主に盗みを働いていた地域も聞き出しましたが、こちらもゴブリンがいるという確証はなし。どの手掛かりも、今ひとつ決め手に欠ける感じです。

モルフォ 「と、なると、地道な作戦になるかあ」
ミッジヴァルト 「張り込みと聞き込みか。あー、もう今日は宿屋で休んで明日からでもよくはないかね」 (なにせ前払いでもう品物はいただいているしなふふふふふふふふふ)
ギ・ナ 「げんばひゃっぺんだぜ」
ミッジヴァルト 「……無視かね、やる気満々かねきみたち」
GM/ガイル 「ミッジヴァルトさんって誠実そうな人ですよね! それに強そうだし。あこがれてしまうなあ!」
ミッジヴァルト 「ぬ、そうかね? いやあほめても何も出んぞ……諸君、聞き込みだ!!」

 扱いやすい人だなあ。

モルフォ 「急いでもしょうがなさそうだし、向こうも一度変身して逃げてるだろうから、今日中は身を隠すんじゃないかな。というわけで、酒場で情報収集して寝ようよ」 精神力消費してるから、できれば寝たいと思っている
ミッジヴァルト 「なにをそんな悠長な! 手分けして聞き込みに回ろうではないか!」
GM さっきと言ってることがちがう。
ミッジヴァルト のせたくせに!
ルビー 「聞き込みは、範囲を絞り込まなければ難しいにしても、今日はまだまだ私の頭は回ります。やるだけやってみましょう」
ホットウロ 「いってらっしゃーい!」←手をブンブン振りながら
ギ・ナ 「荒事がおこったらよんでくんな」
ミッジヴァルト 「こら怠けるんじゃ……」 やっぱりそういう作業をふたりにさせると余計ややこしくなると思ってやめた
GM とにかく、酒場で情報集めて寝るのかね?
バアル カウンターのママさん的な人に「この町でさっきの以外で、何か騒動はないか」
GM カウンターにいるのは、マスターだが。「騒動? あるよ」
バアル 「マスター、その情報と安酒を一杯」
GM/マスター 安酒、1Gね。「どうも最近、モグリの盗賊が、けっこう派手に稼いでまわってるみたいだ」モグリっていうのは、盗賊ギルドにお金をおさめてないやつのことね。「盗賊ギルドはモグリを許さないから、そろそろ動き出すころなんじゃないのかな……あらっぽいことにならなきゃいいが」
ギ・ナ 「ギルドが動いちゃ面倒だぜ」
GM マスターから聞けるのはそんなとこだ。他に、酒場の中には、きみらと同じような冒険者らしいグループが2組いるけど
モルフォ じゃ、同業者に聞きこみをしたいところだけど
ルビー 「ところで、ガイルさんホントに1Gも持ってないんですか?」
GM (ん? なんで?)
モルフォ 「ちょっとジャンプしてみてくんないかなあ♪」
GM いじめっこか。
まあジャンプするけど……慣れてるから
ルビー かわいそうに……
ミッジヴァルト 昔からいじめられっこかガイル……。
GM ちゃりん、とポケットの中でコイン3枚くらいが鳴っている
ミッジヴァルト 「ほほう、聞き捨てならんな」
GM いじめっこか!!
モルフォ じゃ、同業者のいるテーブルに、ガイルさんをひきずって歩いていきます
GM ひきずられた。
で、モルフォが近づいてくるのなら、冒険者のおっちゃんがニヤニヤ笑いながら「やあ。かわいいね、君も冒険者?」
ギ・ナ (また始まりやがったぜ)
モルフォ テーブルにはおっちゃんのほかに何人いる?
GM (1Dでころころ……5か)おっちゃん抜いたら4人。盗賊、魔法使い、僧侶、精霊使い、に見えるな。おっちゃんは戦士
モルフォ じゃ、舌打ちしながらガイルさんに5G握らせつつ
GM/ガイル ? 「なんです?」
モルフォ 「そうなんですー、わたスィー、冒険始めたばっかりでー、このひとが1杯ずつ奢ってくれるっていうからー、一緒にどうですかあ?」と営業スマイルでおっちゃんに言う
GM なるほど。それなら、歓迎される。おっちゃんが手招きして「こっちおいで! おっちゃんの隣すわりな!」で、仲間たちが「また始まった、このすけべ」みたいな顔してるね
モルフォ 「よかった! はいガイルさん!」と座らせる。
GM おどおどしながら座るよ
モルフォ で、まあ各メンバーからかいつまんで情報を収集したいんだけど。「あ、グラス乾いてますよお?」と酌してまわりつつ情報収集
GM (手慣れたもんだな……)何について?
モルフォ 変わった話が聞ければいい。5人もいれば、だれかから聞けるだろうからね
GM/冒険者 変わった話といえば、謎の下水おじさん。「まあ都市伝説みたいなもんなんだけど、下水のマンホール(みたいなもの)から現れて、下水に帰って行くという、新しいタイプの浮浪者が最近でたらしいぜ」
モルフォ 「ははーん」
GM ちなみにこの街は下水道がある。すごく先進的な設備なのだ、この時代背景からすると
ルビー へぇー
GM/冒険者 「よくあんな臭いところに入れるよなー」 おっさんたちからは、他にもいくつか、噂話とかが聞けたわけだが
モルフォ 聞けるだけのことは聞けたということで、話を切りあげて、ガイルさんにお金を置いてもらって
GM うむ
モルフォ ニコニコ手を振ってテーブルを後にします
GM/冒険者 「もういっちゃうのー?」
モルフォ 自分とガイルさんも飲んでるのでその分も引いて
GM じゃ、7Gへらしといて……といっても、キャラシーないから書けないよな。7Gへったということで、後で処理しとくよ
モルフォ 「はあん!? なに言ってんの。あんたの手持ちからの不足分だけよ」とすごむ
GM なんとおー!? そのためのジャンプか!
ミッジヴァルト いじめっこだ。
GM/ガイル 「……じゃあ、4Gでいいです……」
ルビー せせこましい…
ホットウロ 「……やっぱ、おいら近いうちに他のパーティに乗り換えよう」
ミッジヴァルト キャラクターボイスがネーナ時の釘宮理恵になりそうだ。

ミッジヴァルトの地道な聞き込……み……?

GM では、冒険者の店の外で聞き込みをするという人も、どういうことを聞いて回るのか言ってくださいな
ルビー あなたゴブリンですか? って聞いたら喧嘩になりますか?
GM ケンカになるか、無視されるか、ウケるかのどれかだな
ルビー 喧嘩はよくない
ギ・ナ 「喧嘩のどこがいけねえ?」
ミッジヴァルト 街中で片っ端から、あなたはゴブリンですか? と聞いて回り、ボコボコにされた挙句ふてくされてヤケ酒(1G)煽って寝る。

なんじゃあ、そりゃあ!

GM そんなら生命力3点くらい減らしといて。
ホットウロ それは多分グラスランナーなおいらが見ても『頭がカワイソウな人』
ミッジヴァルト (なぜだ……ッ!! わたしの完璧な作戦が……!!)と思いつつ、ミッジは外でボコボコになってると思いねえ。
GM じゃあ、モルフォが同業者の話を聞き終えたころ、ミッジヴァルトがボコボコでかえってくる、と
モルフォ とりあえずキュアー・ウーンズはかけられるんだろうか
GM うん。2Dふって、その後、回復力10で回復量を出して

 味方に回復魔法をかける場合など、対象が抵抗しないときは、ほぼ確実に魔法が成功します。失敗になるのは、成功ロールや回復量決定の2Dの目が1ゾロのときのみ。
 成功率はおよそ95%ですから、いざというとき回復魔法が失敗して全滅、なんていう危険性はほとんどありません。

モルフォ (ころころ)
サイコロ morpho -> Rate10 = [1,1]<自動的失敗> = 0
GM
モルフォ
ホットウロ ぶ(W
バアル 素敵な文字が見える
ルビー 笑っていいのかこれは
モルフォ 「あー、やっぱり酒が入るとだめかあ」
ミッジヴァルト 「ふん、かまってくれるなあ……ッ!!」
GM いいのかよ!
ミッジヴァルト 「おやじ、酒だ!!」
GM もう1回かける?
モルフォ 精神点が残ってたらかけられるわけだよね
GM うん
モルフォ 「しっぱいしっぱい」と再挑戦

 今度はちゃんとキュアー・ウーンズが発動し、ミッジヴァルトの傷は全快しました。

モルフォ 「さすがあたし。ヒック」
GM 自分に酔ってる
モルフォ ウマイネ
GM アリガトウ
バアル ミッジヴァルトの情報には特に目新しいものなし?
ミッジヴァルト なし。
GM 本当に「おまえはゴブリンか」っていってまわっただけなの?
ミッジヴァルト そこらへんミッジヴァルトはゆがみない。
GM じゃあ、目新しい情報ないよ。……それでいいのかミッジヴァルト!
ミッジヴァルト モルフォに回復してもらったのにも気づかず、酒を煽り始める。
涙脆くなる。
ホットウロに絡む。
寝る。
ルビー おやじだ…
モルフォ スシ! 鳥! フロ! 寝ろ!!
ギ・ナ (空耳か……?)

居すぐり 立ちすぐり

GM さて、次は、どうするね
ルビー 「ガイルさん」
GM/ガイル 「はい」
ルビー 「その二枚の仮面、最後の一枚を奪い返すのに使えるかもしれませんから、貸してくれませんか?」
GM おおっ?

 そうきたか。これは、GMの想定外の行動でした。
 変身の仮面は、非常に強力な魔法のアイテムです。『古代語魔法(ソーサラー魔法)4レベルのシェイプ・チェンジがソーサラー以外にも使える、おまけにシェイプ・チェンジでは変身できないようなものにも変身可能』というのは、『効果は1時間、一度使うと1日は使用不能、変身するものはある程度ランダム』というペナルティを差し引いてなお、破格の性能を持っていると言えます。
 これが捜査の役に立つかもしれない、とPCが考えるのは、実に納得のいくところ。いいところに目を付けたなあ、と舌を巻いたGMは、この申し出をOKしてあげたい気持ちになったのですが……
 持ち主のガイルにとっては、やっとのことで取り返した仮面。それを一時的にとはいえ手放すのは、さすがに警戒してしぶりそうな気がするのです。
 そこで、「うまくガイルを説得してくれたらOKする」という方針で進めることにしました。

GM それはちょっと……さすがにガイルが嫌がるかもしれないな
ルビー ダメもとです
GM/ガイル 「これはちょっと……仮面の取引自体、あんまり公にはできないんで……」
ホットウロ 「えーっ! ダメなのー! ケチー!」
モルフォ 「いいアイディアなんじゃない? 持ってるだけでも囮になると思うしー」
GM/ガイル 「ううっ」
モルフォ 「でも、ふたつだけ先に渡すわけにもいかないでしょお?」
GM/ガイル 「確かに……」

 モルフォが指摘したのは、残りの仮面を奪取するのに「確実に」役に立つこと、今ガイルが仮面をかかえていても意味がないこと、の2点。ここがはっきりすれば、あとはガイルがPCたちを信用するかどうかの問題だけなわけで……
 今までの言動からして、そこはすでにクリアしていると考えるべきだ、と判断しました。
 いやはや、うまいなあ。一発でまるめこまれちゃった。

GM/ガイル 「分かりました、それじゃお貸しします。でも、私も捜索にはついていきますよ」 持ち逃げされないように見張るつもりらしいよ。いざとなったら、何も抵抗できないだろうけど
モルフォ 「じゃ、ルビー。仮面持ちよろしくね☆」
ルビー 「わかりました。あなたがうっかり死んだら、私が責任を持って私の考える最善の方法で処理いたします」
GM/ガイル 「……よ、よろしく」
ミッジヴァルト 「……しかし、実際だれがかぶるんだね」
ホットウロ 目を輝かせながら「はいはいー! オイラかぶりたいー!」
ミッジヴァルト (かぶりたいやつが居おったー! わたしはやだぞゴブリンがつけてたもんなぞ!?)
GM 仮面は誰がもっとくんです? ルビーとホットウロ?
バアル 「後衛になる人間が持っていたほうがいいだろうな」
ホットウロ 「わーいわーい!」←早速何も考えずにかぶってみる
ギ・ナ 「げえっ。このばか」
GM かぶっただけなら、何も起きないよ
モルフォ 「……変身しないね」
ホットウロ 「わーん! インチキだー!」仮面を外します
GM かぶって、変身したいものを思い浮かべると変身できます
モルフォ なにも考えないとなにも起こらないのだろうか
GM そうですね
モルフォ 「ホットウロくん、話聞いてからかぶっとこうよ……」
ホットウロ 「ぶー」
モルフォ では、いまの説明はガイルから聞いてる前提で
GM ええ。説明受けた、でいいです
ルビー ラジャ。しかしすっかりガイルだな
ミッジヴァルト まさかこんなことになるとは。>すっかりガイル

きみらのせいだろ!!

バアル 3点、確認します
GM はい?
バアル 1、ゴブリン語の1つのセリフを、ルビーに教えてもらってしゃべれるか否か?
GM (何をする気なんだろう? まあ、文ひとつくらいなら、こんなとこかな)冒険者レベル+知力ボーナス+2D、で10以上なら、うまく発音できるとしましょう
バアル 2、お面をつけた状態で問題なくしゃべれるか?
GM しゃべれる生き物に変身したなら、それは問題ない
バアル 3、もしゴブリンの姿で街中を歩いた場合、体力? HP? は減るか否か
GM 変身した場合、「生命力の減少量」が維持されます。ノーダメージなら、変身後も、元に戻ってもノーダメージ。5点ダメージを喰らった状態で、生命力5の猫に変身すると、即座に気絶。逆に生命力15のものに変身すると、残り10点ということになる
バアル ではルビーにゴブリン語で『どこどこへ逃げるぞ!』という言葉を教えてもらって。『どこどこ』は、人のいない迷惑のかからない所を適当に
GM なるほど。じゃあ、教わった、でいいですよ。話すときにうまく発音できたか判定してもらうので
バアル そして仮面を借りて、ある程度周囲にいかつい人のいない所でゴブリンに変身。逃走しつつ、その言葉を言いまくる。
ルビー 居すぐり 立ちすぐり ってやつだな

 「居すぐり 立ちすぐり」……戦国時代の忍者、風魔小太郎が得意としたという、スパイ発見法です。
 あらかじめ仲間内で合い言葉を決めておき、それを言われたら即座に座ったり立ったりする、ということにしておく。仲間に変装したスパイは合い言葉を知らないため、行動が遅れてしまう、というわけです。
 この場合は、ゴブリン語に反応して行動を起こすヤツがゴブリン、というわけで、これの逆をやろうとしているわけですな。

ミッジヴァルト 頭いいなあ。
GM 場所はどこって叫ぶの?
バアル どこにしよう、考え中……あ、地図を見ればいいのか
GM 街の中は建物だらけだから、広い場所なら街の外になるだろうが
モルフォ 空き地とか森林とかはないの?
GM そうさねえ。いま、君たちがいるのは、この地図の右上の「常闇通り」とか書いてるところの近くなので、もうちょっと右上の方に行って、街の外にでればあるよ
モルフォ 城砦都市ってわけでもないし、それでいいか
バアル ではその常闇通りの辺りである程度言いまわった後、その空地に。そこで変身解除。

 ナイス・アイディア。
 ……だったのですが、ここでバアルが暴走。1人だけ、独断専行で作戦を実行しようとします。
 ここまでで精神力を消費している魔法使い組(キュアー・ウーンズ3発使ったモルフォだけでなく、ルビーもセンス・マジックの試し打ちで消費していました)は、決戦の前に一晩休みたかったようです。それ以前に、バアルは作戦を仲間に教えず、1人でゴブリンをおびき出すつもりだったようで。

 実際のプレイでは、ルビーに作戦内容を説明しないまま行動してしまったバアル、何も考えずそれを処理してしまったGM、先述の「モルフォが冒険者パーティから噂話を聞き出す」「ミッジヴァルトが外でボコボコにされる」のくだりと並行して進んでいたこと、などがあいまって、チャットログはすさまじいカオスに。
 その結果……バアルが行動を宣言して、GMが処理をしてしまってから、ルビーが「そういうことだったら私は(持っている仮面を)貸せませんよ」と言い出す事態になってしまいました。思えばこの言い分も当然のことで……

 全ては、「バアルがルビーから仮面を借りる」という、PC2人に関わる行動を、バアル1人の行動宣言によって処理してしまったGMの責任です。やむを得ず、バアルがルビーにゴブリン語を教わる所まで、時間を巻き戻すことにしました。(そのときはテンパってたとはいえ、これも褒められた処理ではありません……)

GM すまんのう
モルフォ バアルさんが作戦を言い渋りながら仮面を借りたがっているのをルビーさんが断ってるところですね
GM そうですね
バアル 「ルビー、なぜ貸せないのか教えてくれないか?」
ルビー 「いやもちろんお貸ししますよ。何に使うおつもりかを聞いているんです」
バアル ではルビーさんにさっきの話の説明
ルビー 「なるほど、それでゴブリン語をおたずねになったのですね」
バアル 「あぁそうだ。何もない所を探すよりは楽だろう」
ルビー 「私はよい考えだと思いますが、皆さんにも意見を求めてみましょう。今日は消耗している人もいるようですからね」
モルフォ 「ひとりで行く気だったなんて水臭いよ! あたしたちもう仲間じゃない! ってゆーかまさか……短剣持ち逃げする気だったんじゃないでしょうね?(ギロッ」
GM そこかい。>持ち逃げ
モルフォ だって今回の現時点における最重要事項じゃない
ルビー さすがだな。
バアル あえて(ギクッ) 「そ、そんな訳ないだろう(冷汗を垂らしながら)」
ルビー というわけで、作戦会議を開いてもよろしいでしょうか。仲間ひとりひとりに声をかけて、ひと部屋に集められますか
GM できるでしょう。でもミッジヴァルト寝てるみたいだから
ミッジヴァルト いびきがうるさくなってきたので軒先につまみ出されていません
ルビー 「バアルさん、ミッジヴァルトさんがお眠の時間です。説明は翌日でも構いませんか?」
バアル 「あぁ構わない」

 ああ、ルビーが率先してまとめ役をやってくれたおかげで、助かった。
 プレイヤーたちをすっかり混乱させてしまったようで……面目ない限り。反省しよう。

ギ・ナ 「ややこしい話はわからねえ。とりあえず、ちょっと殴らせろ」
ルビー 「ガイルさん、ギナさんがお呼びです」
GM/ガイル 「えええええええ。ちゃんと手加減してくださいね?」

ややこしくしちゃって、ごめんよー。

いざ、作戦決行!

 翌朝、みんなの精神力が回復するのを待って、一同は作戦会議を開きます。
 とはいえ、作戦の骨子はバアルの発案そのまま。仮面を使ってゴブリンに変身し、ゴブリン語で呼びかけ、街はずれの空き地におびき出します。残りのメンバーはそこに待ち伏せしてゴブリンをしとめる、という寸法。
 それに加えて、仮面が2枚あるのを活かして、ゴブリン役を2人にするということも決まりました。

ルビー 「私は妙案だと思います」
バアル 「他の皆はどう思う?」
ミッジヴァルト 「そんな作戦があるのならはじめからやりたまえ! おかげでわたしは(ry」
GM きみは自業自得だ。
ギ・ナ 「殴れりゃそれでいいぜ」
GM ホットウロは寝ているかも知れない!(さっきからプレイヤーが睡魔と戦っていた様子)
ホットウロ 「なるほどー、あったまいー」
GM おきてた
ルビー 大丈夫ですかマジで
ホットウロ ←うつらうつらだけど、とりあえず話は聞いているらしい
GM 寝起きのロールプレイだな
モルフォ 「いい作戦だと思うけど、ホッくんもそろそろちゃんと起きないと殴るよ?」
ゴィン (ころころ)3
バアル 殴った…?
モルフォ 素手。
GM 素手でもダメージあるんだぞ!
モルフォ よく知ってる! 冗談で突き飛ばしたら死亡判定が出てしまった友人がいた!
ミッジヴァルト (やはりこのこ……怖いな……)
GM 承知でやる辺りがモルフォですね。
ホットウロ 「おきてるよー! いたいよー!」
ギ・ナ 「おーし、がいるちょっとこーい」
GM 「はい?」
ギ・ナ (ころころ)13
GM 「ぎゃあ!」(ころころ……)ファイター技能ねえのに避けられるわけないだろ!! ……それ、素手? モール?
ギ・ナ 素手
GM じゃあ、打撃力0でダメージだして
ギ・ナ (ころころ)8
GM ううむ、いたいぞ
ミッジヴァルト (どうしてこのパーティーはこう血の気の多いのが……!)
モルフォ まあ依頼人死んでももうデメリットないんだよね。
ミッジヴァルト ひでえ。

 この後、誰がゴブリン役をやるかで、また一悶着。足が速い人ということで白羽の矢が立ったホットウロが「嫌です」と即答し、モルフォに「あぁン!?」と睨まれる、というトラブルもありましたが……(ホットウロのプレイヤー、さては茶化し役以外で動く気がないな……?)
 ゴブリン役はバアルとミッジヴァルトの2人、ということに落ち着き、いよいよ作戦決行です。

ルビー 決行かな
ホットウロ 「任せるー がんばってねー」←他人事の如く
モルフォ 「あんたもー! 来るのよー!!」とホットウロの首を絞める
GM いいコンビだね、きみたち。
そんでは、決行しましょう。
バアル 「(ゴブリン語で)空き地に逃げるぞー。空き地に逃げるぞー」
ミッジヴァルト 「《街の北東の空き地に逃げるぞー!》 ……これでいいのか? まったく」
GM ミッジヴァルトとバアルは、ちゃんと喋れたかどうか冒険者レベル+知力ボーナスで判定してください
ミッジヴァルト 2Dですか?
GM はい
ミッジヴァルト (ころころ)14
バアル (ころころ)11
GM さて、14と11か。(さっき、目標値10って決めたよな。これはうまくしゃべれたとしよう。あとは、ゴブリンの方がだまされるかどうか、だけど……)

 GMはここで、手許に用意しておいたサイコロ(IRCのダイスマクロではなく、本物の6面体サイコロです)を振って、ゴブリンがだまされたかどうかの判定を行いました。いわば、マスタースクリーン(GMの出目を隠すついたて)の代わりですね。
 ゴブリンのモンスターレベルが2、知能は「低い」なので知力ボーナス1とみなして、これに2Dの目を足します。結果は10。ミッジヴァルトやバアルの達成値より低いため、だまされてしまったと判定しました。

GM では、レンジャー+知力ボーナス+2Dで判定してください
バアル レンジャー?
GM レンジャーがないなら、知力ボーナスも足すことが出来ない。2Dだけでの勝負だね
バアル (ころころ)10
GM で、こっちも手許でサイコロふらせてもらう(リアルでころころ……7、か)。バアルは、怪しい人影がきみを追いかけてるのに気づいた
バアル そのまま引き離さないようにしながら空地に
GM 了解。では、みんなが待ちかまえている空き地に、ミッジヴァルトとバアルが戻ってくると、おまちかね。下水のような臭いを漂わせながら、男が一人、後を追いかけてきたよ
モルフォ よかった。下水探索をしなくてすんだ

 さっき、冒険者の店で下水おじさんの噂を聞いていたモルフォは、感づいていたようですね。
 そう、今回GMが用意していたシナリオは、下水道にひそんでいるゴブリンを叩く、という、簡易ダンジョンアタックものになっていたのでした。すでにプレイ時間が大幅に予定を超えていましたし、バアルの作戦がうまくいきそうに思えたので、予定を変更してアドリブで対処することにしたわけです。
 プレイヤーのアイディアを展開に反映できる、このへんの自由度が、TRPGの面白いところ。
 すごい時間かけて考えたシナリオが無駄になってしまって、ちょっと寂しいんだけどね。

ミッジヴァルト 「ん、あいつは……」
ギ・ナ 「うでがなるぜ」
GM みんなは隠れてるのかな?
モルフォ そのつもり
ルビー ですね
GM では、バアルに寄ってくる。仲間だと思っているようだ
ルビー はい! センス・マジックを使いたいと思います!
GM どうぞ。2D+魔力で
ルビー (ころころ)14
GM はい。男の全身がぴっかーと光ってます
ルビー 「奴です」
バアル それを確認後、変身を解く
ギ・ナ 「なあおい、もう殴っていいか?」
バアル 「あぁこいつはゴブリンだ!」

冒険者たち、戦う

GM では戦闘に入りましょう
モルフォ 「汎用ウニ型決戦兵器、モニングリオンの出番ね」と武器をかまえる
バアル (そんな名前だったのか…)
ミッジヴァルト (ちょ、わたしいらなくないか……!?)>モニングリオン
ホットウロ 「少しはマトモなネーミングにしよーよ、モルフォ」
モルフォ 「説明しよう! モニングリオンはときどき鎖が外れてあらぬ方向へ飛んでいってしまうこともあるお茶目さんなのだ!」
ミッジヴァルト 「そんなもんもってくるなあ!」

 モルフォの武器は、モーニングスターですからね! ……念のため。

ギ・ナ 「一番鎚もろたーっ」
GM おっとっと。とりあえず、どっちが先手を取ったかの判定にしよう。全員、レンジャー+知力+2Dで、いくらになったか教えてください

※なんじゃそりゃあ! と思った上級者の皆さんへの注※
 プレイヤーが初心者が多いうえに、位置関係を図示するのが困難なオンラインセッションという条件を考慮して、戦闘ルールは「SEコンバットから前・後列の概念をとっぱらったもの」という超簡略化ルールを用いています。
 2回目以降のセッションをやるときには、段階的に本来のSEコンバットに近づけていく(複雑化させていく)というもくろみです。

一同 (一斉にころころ……一番高いのは、ホットウロの11)
GM こちらも(ころころ)あ、たかい。13だ。目がよかったな。こちらの先行。
ここから先は、ゴブリン>きみたち>ゴブリン>きみたち……の順で、交互にラウンドを繰り返します
バアル はい
GM 味方ラウンドの中では、好きな順番で行動してくれてかまいません。では、こちらから行かせてもらいます。
敵の人数が多いのでまったなし。変身するよ。だれか2Dふって
モルフォ (ころころ)8
GM 8か。えー、それでは、ゴブリンの周りにボウンと煙が出て、モールをかかえたけんかっ早いドワーフの姿になったよ
ギ・ナ 「みたツラだな」
ミッジヴァルト 「ぬお、寝返ったかギ・ナ!?」
モルフォ 「こ、これが変身かあ!」
ホットウロ 「おおっ!? これはちょっと面白い! あ、原稿用紙原稿用紙」
GM というわけで、強くなりたいと思ったゴブリンは、目の前で一番強そうなヤツになりました!
ギ・ナ 「それでも一等強いのは俺だ」
モルフォ じゃ、フォース
GM ぎょ

 フォースは、レベル2の神聖魔法(プリースト魔法)。目に見えない力をぶつけて攻撃する魔法です。

GM 2Dふって、魔力を足してちょうだい
モルフォ (ころころ)10。魔力足して14
GM (えーと、ゴブリンの精神抵抗値は8だから……)それなら抵抗失敗。打撃力10でダメージきめて
モルフォ (ころころ)2。足して6か……
GM モンスターレベルで2点防げるから、4点くらった
ルビー エンチャント・ウェポンを使いたいです、ミッジヴァルトさんに
GM どうぞ。1ゾロ以外はかかります
ルビー (ころころ)14
GM では、ミッジヴァルトの打撃力が5あがった
ルビー 「お願いしますよ!」
ミッジヴァルト 「おお、力が漲るぞ!? そうだ! わたしはやればできる子なのだ!」
GM 力じゃなくて剣がすごくなったんだが……ともかく、攻撃するのかな?
ミッジヴァルト じゃあ攻撃おk?
GM はいな
ミッジヴァルト (ころころ)8
GM それに攻撃力たして
ミッジヴァルト 12?
GM こちらの回避は10しかないんだよ。くらった。ちなみに、片手? 両手? バスタードソードなので両方できるけど
ミッジヴァルト それってコロコロ変えられるもんなんですか?
GM 最初だけ好きにきめたらいいよ
ミッジヴァルト じゃあ、この場は片手ってことで。
GM はい、じゃあ、打撃力16にエンチャント・ウェポンの+5があるので、打撃力21でダメージを
ミッジヴァルト (ころころ)4
GM それに筋力ボーナス+ファイターレベルを足していくら?
ミッジヴァルト 8かな。
GM こっちはギナの防御力23で防げるんだなー。(ころころ)7。モンスターレベル2を足して、9点防いだね。カチンとはじいた。鎧がかたいなあ、ギナは
ミッジヴァルト 「なん……だと……!?」
モルフォ 「大工……」

ミッジヴァルトは、一般技能「カーペンター(大工)」を持っているのです。

ミッジヴァルト 「な、ななななぜそれをををを」 >大工
モルフォ 「どん♪ まいっ♪」
GM では次は? ギナ? バアル?
バアル 行きます(ころころ……目は10)
GM だめだ、サイコロの目だけで充分くらっとる。ダメージを、打撃力4で
バアル はい(ころころ)あらら、1ゾロ
GM あちゃー。では最後、ギナさん
ギ・ナ 「おうよ。待ちかねた」(ころころ……目は5)ずこー
GM いや、攻撃力たして10だろ? それは、あたってるよ、こっちの回避も10だから。ダメージは打撃力28で出してくださいな
ギ・ナ (ころころ)10。筋力3の、ファイター2だから、15点
GM ぎゃああ! か、体が半分けずれた(生命力が半減した、の意)
ギ・ナ 「おっしゃあっ」
ルビー すげえなおい。
ミッジヴァルト つえええええええ。
モルフォ 「……どっちが勝ったのこれ」
バアル 「よし効いてるぞ」
GM もうだめだ、勝てる気がしねえ。ギナゴブリンは土下座したよ

 ともかく、多勢に無勢なうえに、1ターンでごっそり生命力を持って行かれたゴブリンは、あっさり降服。戦闘は、PCたちの一方的な勝利に終わったのでした。
 あっけなかったけど、こんなもんかな? 初めてのセッションという人も多いし、プレイ時間も限界が近づいてたしね。

GM/ゴブリン 「か、仮面は返すゴブ! だから命だけは……ゴブ!」とゴブリン語でいってる
ミッジヴァルト やっぱり語尾はゴブなんだ。
GM むろんだ
バアル 「ルビーなんて言ってる?」
ルビー 「『仮面は返すから、命だけは助けてください』と言っています」
ギ・ナ 「何いってんだか、わかりませーん」(ころころ)16
GM 殴るの!?
バアル 攻撃!?
ルビー アーッ
ミッジヴァルト ひでえええええ。
GM こっちは土下座してるんだから(ころころ)よけられるわけがない!
ギ・ナ R28
サイコロ gina_ -> Rate28 = [1,1]<自動的失敗> = 0
GM おい。
ギ・ナ ぬお
ルビー セーフ!!
ギ・ナ 「手元が狂ったぜ。では、もう一度」
ミッジヴァルト 「やめい」
ルビー 「ギナさん! ちょっ…」
ホットウロ 「そして土下座しているゴブリンをー容赦なく殴るー♪」(※ ギナの歌を作っているらしい)
GM/ゴブリン 「ひー! たすけてー!」
モルフォ これで昨日までのお前は死んだ! とギナさんは言いたいわけだな
GM/ゴブリン 「その話の流れだと、助けてくれるゴブね?」
ルビー ゴブリンにはこっちの話わかるの?
GM ごめん、いまのはノリ
ギ・ナ 「殴り直しは格好がつかねえ。好きにしな」
バアル ゴブリンってギルドに出したりして資金もらえたりする?
GM ギルドを悩ませていたモグリを片付けたという意味で、ひょっとしたら何かあるかもしれないけど、ねえ。基本的に、見かけたら殺してもいい邪悪な生き物だから……
バアル どうしよう…それなら殺してしまおうか…
モルフォ というか基本的には助ける義理はないので率先しては止めないよ
バアル ではルビーさんに通訳をお願いして
GM ん。なんて言う?
バアル 「もし助けたとして、俺たちに何か利益あるのか?」
GM/ゴブリン 「仮面を返すゴブ」
ルビー 殺して奪えばいっしょだしな!
ミッジヴァルト ころしてでもうばいとる!
バアル 「それはここで殺しても同じだよね(邪悪な顔で)」
モルフォ 「……やっといて」
GM/ゴブリン 「わー! まって! こうみえても、ゴブは由緒正しい貴ゴブなんだゴブ。うちの屋敷に戻れば金銀財宝が……」
モルフォ 同時通訳中?
GM うん
バアル 「ほぅ(目がキラーン)」
ミッジヴァルト 「ほほう!」
バアル 「だったらそれとお前の命を取引だ。」パーティのメンバーにも確認
ギ・ナ 「ぺしゃんこになるか、財宝だすかだ」
GM/ゴブリン 「わかった。ここから、太陽の昇るほうに1日くらいいくと、森の中に背の高い木が3本ならんで生えてる丘がある。そこに屋敷があるよ。中の物は、全部もっていっていいゴブよ」
ミッジヴァルト 話を聞いた途端全力ダッシュ。
GM はええな。というわけで、見逃した、でOKかな?
ルビー 「依頼主の判断にお任せします」
GM/ガイル 「私としては、仮面が戻ればそれでOKです。ゴブリンは好きにしてくださいな」
モルフォ 「じゃ、取引成立ね。みんなもそれでいい?」
バアル 「そうしよう」
ルビー 「食べられないそうですしね…」
GM 試してみるなら止めないけどね>食べる
ミッジヴァルト (なぜみんな追ってこない……!!)※ダッシュ中
GM ともかく、これにてミッション完遂です!
モルフォ 「え!? 屋敷の財宝は!?」
GM 屋敷の話は、機会があったら、つぎのセッションに……と思って、口から出任せを言ったんだが。
ルビー 俺たちの戦いはまだこれからだからな
ミッジヴァルト (なぜみんな追って(ry
モルフォ 「ていうかホッくん本気でなにもしなかったよね……」
GM ほんとにな。
ホットウロ いや、お宝に興味ないしー
バアル 「そこを英雄譚にするのがバード」
ギ・ナ 「しちごちょうていうので頼む」
ホットウロ 「……なんだろ、このパーティにいると英雄譚どころか、何処かのヤクザものみたいな詩しかできないよー……おいら、この冒険終わったら、新しい冒険に出るんだー」
GM それではとりあえずここまでといたしましょう。みなさんお疲れさまでした!
一同 おつかれさまー!

 

バアル 何となくミッジヴァルト追う状態で
ルビー ミッジさんの周囲から黒画面がせばまって、最後は丸がちょっと開いて「どうして誰もついてこないんだ!」でシメだな
ミッジヴァルト (これなら独り占めだなふはははははは)
バアル (独り占めさせるかぁ!)

 第1話「やつらが街にやってくる」 おわり。

ティータイム〜GMのひとりごと

 いやー、楽しかった!
 前々から、うちのチャットの常連さんたちを集めて、オンラインセッションをやってみたいな、という思いはありました。何度か実際に企画もしたのですが、そのたびにあれこれ困難が見つかり、ポシャってきたという次第で。

 今回、セッションの実行に踏み切れたのは、「新ソード・ワールドRPGリプレイ集Waltz」を読んだことが大きく影響しています。このリプレイ集の巻末に収録された簡易戦闘ルール「SEコンバット」を見て、俺が思ったことはただ一つ。
 なんてオンライン向きのルールなんだ!!
 チャットを用いるオンラインセッションには、いくつか重大な問題点があります。その中でも最大のものが、「図を書き示しながら進行することができない」というもの。
 戦闘時の位置関係や、今もぐっているダンジョンの構造など、TRPGにおける視覚的情報の伝達は、メモ書きに頼っている部分が非常に大きい、ということを思い知らされました。
 ところが、このSEコンバットでは、戦闘時の位置関係が「前列・後列」の2種類だけ(敵味方合わせてもたった4種類)に単純化されているのです。これなら、文字だけで簡単に表現することが出来ます。このルールを採用すれば、ダンジョンの方の問題点は解決しないまでも、とりあえずソードを遊ぶことならできる。
 というわけでいったん企画が動き始めてからはテンション上がりまくりで、とんとん拍子に話は進み、チャットの常連さんたちもノリノリで参加してくれました。

 その結果は……ごらんのとおり。

 手前味噌ですが、みんなのおかげで実に楽しいセッションになったと思います。まー、さすがは2次創作作家ぞろいのSDCチャット組。あれやこれやとよく考えて、キャラクターを立ててくれました。
 反面、俺のGMとしての未熟さゆえに、うまくさばききれなかった部分もありますが……この反省は次回に活かしたいと思います。プレイヤーのみんなが続きを希望してくれたので、いずれ第2話をやろうと思っています。

 ちなみに、今回のリプレイは、「キャラクター」「予期せぬ事態」と「オンラインならではの苦労」という部分に焦点を当てて書いています。読み物と楽しんでいただくのみならず、オンラインセッションに挑戦するGMさんたちの、何かの参考になれば幸い。

 さて、次回はダンジョンものをやってみようと思います。先述の通り、オンラインでダンジョンはやりにくい(地図を書きながら進めることができない)わけなのですが……
 今のところ考えているその解決策の、1つを試してみようと思っています。どんな感じになるのか、請う、ご期待。